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海外競馬ニュース
2021年06月03日  - No.20 - 3

競馬場に観客が戻ってくるまでの激動のタイムライン(イギリス)[開催・運営]


 アスコット競馬場は5月26日、ロイヤルアスコット開催(6月15日~19日)で毎日1万2,000人の観客を迎える予定であることを認めた。これは新型コロナウイルスの大流行から立直りを図るにあたり、競馬界が新たな一歩を踏み出したことを意味する。パンデミックの影響が出始めてからの競馬場と観客にとって重要な日付と瞬間を見ていこう。

【2020年3月17日】

 新型コロナウイルスの大流行への懸念が増大する中、英国で初めて無観客競馬が開催される。この日以降、競馬開催は中止となる。

【2020年6月1日】

 全国的なロックダウンが実施されてから初めて、ニューキャッスル競馬場で競馬が再開される。ただし無観客開催。

【2020年7月1日】

 試験的な1競馬開催日の一環として馬主の競馬場への入場が初めて許可される。ケンプトン競馬場とシーズン最初の障害レースを施行するサウスウェル競馬場で、1頭につき馬主2人までが入場。2日後の土曜日、日程変更されたダービーとオークスが開催されるのに合わせて馬主は正式に競馬場に戻ってきた。

【2020年7月31日】

 グロリアスグッドウッド開催(7月28日~8月1日)の翌日に予定されていた最初の試験的な有観客開催が中止となる。観客5,000人の来場が予定されていたため、この中止による競馬場の損失は6桁(10万ポンド以上)に上ると報じられた。このニュースは英国内でのコロナ感染者急増を受けて伝えられた。

【2020年8月18日】

 フォントウェル、ビバリー、ケンプトンでの開催で場内ブックメーカーが復活。

【2020年9月9日】

 ドンカスターのセントレジャー開催の初日が3月以来初の有観客開催となり、約2,500人の観客が来場。しかし4日の予定だった試験開催が1日に減らされ、翌日は無観客開催に戻った。

【2020年9月21日】

 ウォリック競馬場で2回目の試験的な有観客開催が実施され、月曜の障害競走開催日に474人の観客が来場。ニューマーケットのケンブリッジシャー開催で予定されていた3回目の試験的な有観客開催は、政府が予定されていた全ての試験的なスポーツイベントの中止を決定したため、その週の終わりにキャンセルされた。

【2020年12月3日】

 政府が定めたティア(3段階の警戒レベル)に応じた入場者数でスポーツイベントが開催できるという驚きの発表を受けて、観客が戻ってくる。最多で2,000人の競馬ファンがラドロー、リングフィールド、ヘイドックに来場。

【2020年12月17日】

 再びコロナ感染者が急増したことをうけて警戒レベルが変更され、クリスマス期間に実施されるキングジョージ開催などが無観客となった。またそれを受けたさらなる規制強化のために、一握りの競馬場しか少数の観客を迎えられなかった。

【2021年1月4日】

 エリートスポーツが中止されるという噂が鎮まり、競馬が続けられることが確認されたが、馬主もファンも入場できない無観客での実施。

【2021年3月29日】

 84日間の休止期間を経て、英国のフォントウェル、ストラットフォード、ウィンカントン、ウォルヴァーハンプトンの競馬開催で1頭につき2人までの馬主が入場できるようになる。

【2021年5月17日】

 英国の競馬場に観客が戻ってくる。「4,000人」あるいは「収容人数の50%」のいずれか少ないほうの入場者数が認められる。最初に観客が戻ってくる競馬場は、カーライル、レッドカー、レスター、ウィンザーである。スコットランドでは、5月25日にマッセルバラ競馬場に観客が戻ってくる。ウェールズでは6月に観客の入場を認め、アイルランドではそれより遅くなる可能性がある。

【2021年6月15日】

 ロイヤルアスコット開催は、政府指定の試験的なスポーツイベントの1つに選ばれ、毎日1万2,000人の観客を迎え入れる予定。予定どおりに実施されれば、2020年チェルトナムフェスティバル以来、競馬場は初めて5桁(1万人以上)の観客を迎えることになる。

【2021年6月21日】

 英国において、現在実施中の社会的規制のほとんどが解除され、大観衆が戻り、ソーシャルディスタンスに関するルールの緩和が期待される暫定的日程とされている。

By James Stevens

[Racing Post 2021年5月26日「The turbulent timeline of crowds returning to racecourses」]

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