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海外競馬ニュース
2021年03月25日  - No.11 - 4

タイガーロール、チェルトナムフェスティバル5勝を達成(イギリス)[その他]


 タイガーロール(せん11歳)が獣王の意気を取り戻してグレンファークラスチェイス(クロスカントリーチェイス 3月17日)を制し、チェルトナムフェスティバルでの5勝目を達成したときほど、真実とフィクションの境界線がぼやけたことはなかった。

 現役障害競走馬の中で最も人気ある小柄なこの馬でさえ、冬場の一連の成績不振を背景に7回目のチェルトナムフェスティバルに挑んだときには、勝ち目があるとはあまり確信されていなかった。

 タイガーロールは2019年春にグランドナショナル連勝を達成して以来、1勝もしていなかった。とは言っても、この季節はこの馬にとって明らかに重要な時期である。

 日が長くなりスイレンが土から出始めるとすぐに、タイガーロールのストライドは1段も2段も速くなり、同馬が大一番でまたもや才能を開花させるのを阻止できるものは何もなかった。

 タイガーロールのクロスカントリー3勝すべてでコンビを組んだキース・ドノヒュー騎手は「彼は本当に生き生きしています」とそのパフォーマンスを総括し、こう語った。

 「今日は戦略を変えてみようと話していました。スタートから飛び出して行って先頭に立ち、その後は2番手か3番手に控えさせ、どう動くか彼に決めさせようと思っていました。彼はあざやかに飛越し、私はレース後半の主導権を握っていました。彼はラクな状態でレースを進めました。いったんあんな風に生き生きと走り出したら、その勢いを止めることはできません」。

 「適切なタイミングで彼をピークに持って行けることを、私たちは少しも疑っていませんでした。去年望んでいたように彼を仕上げられなかったことは周知のとおりです」。

 「彼がナヴァン競馬場で非常に苦手とする馬場状態なのに走ってくれたことに、私たちは満足していました。彼を信じていました。タイガーロールがどれほどの実力を見せられるかはつねに分かっていましたし、疑う人々が間違っていることを証明するのに彼ほどふさわしい馬はいません」。

 タイガーロールはチェルトナムフェスティバルで5勝して、ゴールデンミラー(1932年~1936年にチェルトナムゴールドカップを5連覇)の記録に並び、あと1勝でケベガ(2009年~2014年にデヴィッドニコルソンメアズハードルを6連覇)の記録に並ぶ。タイガーロールに最も近い人々は希望を持ち続けていたかもしれない。実際のところ、馬券購入者は同馬を単勝オッズ5.5倍の1番人気でこのレースに送り出した。

 前回の優勝馬で同率の1番人気馬イージーズランド(Easysland)はタイガーロールの後ろにつけていたが、すぐに苦戦し始め、決勝線では18馬身も離されていた。

 ドノヒュー騎手はこう語った。「彼の走行と飛越の様子を見て、レース半ばで今日は抜群の馬に乗っていると自信を持ちました。信じられないほど素晴らしかったです。最高です。またこんなことが達成できたらと思います!」

 「彼は素晴らしい馬ですが、最大限の力を発揮するのはクロスカントリーかどうか考えることがあります。でもよくは分かりませんが、私たちはクロスカントリーの障害が彼の気持ちを燃え上がらせ、グランドナショナルの障害でも明らかにそうなるのではないかと考えます。タイガーロールが好調な日には、かなり強い馬でないと彼を負かせないでしょう」。

 ギギンズタウンハウススタッドの有名なボルドー色と白の勝負服を背負う馬は、これまで最高峰の障害競走のいくつかで勝利を収めてきた。それでも兄マイケル氏(ライアンエアーCEO)のために同スタッドを運営するエディ・オリアリー氏は、今回の勝利が達成された17日は兄弟の競馬人生において最高の日であったと認めた。

 オリアリー氏はまた、兄とともに"英国のハンデキャッパーが決定したタイガーロールのグランドナショナルでの負担体重は不当である"と考えて、最近同馬の回避を決めたことを少しも後悔していないと主張した。

 「この勝利が何を意味するか、言葉にすることはできません。なんという馬でしょう。信じられないほど素晴らしい伝説に残る馬です。タイガーロールは窮まるところを知りません」。

 「あんなことがあった後に引退させることはできませんでした。カレントラハウス(ゴードン・エリオット調教師の拠点。同調教師の免許停止期間中はデニス・フォスター調教師が指揮権を引き継いでいる)のチーム全体にとって喜ばしいことです。私たち全員にとってかけがえのないものであり、競馬に関わってきた中で間違いなく最高の日です」。

 11月のチェルトナムでのパフォーマンスに失望して、この馬を引退させる気持ちが沸き起こりましたが、今日この馬は喜んでいるように見えます。違ったのは馬場状態です。彼はキャリアのこの段階で、何が得意で何が不得意かを分かっています」。

 「グランドナショナルについては少しも後悔していません。彼にはあまりにも高いレーティングが付けられています。今回のクロスカントリーの出走馬とチェルトナムゴールドカップの出走馬を比べられませんが、ゴールドカップに出走した管理馬のデルタワーク(Delta Work)と同じレーティングがタイガーロールについているのはおかしいです。タイガーロールとイージーズランドには馬鹿げたレーティングがついています。悪いけど、彼らはゴールドカップに出走するような馬ではありません」。

 「レッドラムはグランドナショナル3勝目を挙げたとき何歳でしたっけ?12歳ですよね。タイガーは何歳ですか? 11歳です。レッドラムは12歳のときに最終的に7ポンド引き下げられました。来年タイガーがグランドナショナルに戻ってこられるチャンスがあることを願っています」。

By Brian Sheerin

[Racing Post 2020年3月17日「'What a bloody legend' - Tiger Roll joins elite club with fifth festival win」]

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