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2021年03月18日  - No.10 - 3

日本で供用されたボストンハーバーが27歳で死亡(日本・アメリカ)[生産]


 JBBA(日本軽種馬協会)の静内種馬場の遊佐繁基場長によると、1996年米国最優秀2歳牡馬であり長年にわたり日本で種牡馬生活を送ったボストンハーバーは3月9日、老衰により27歳で死んだ。

 カポウティを父とし、ヴァイスリージェントS優勝馬ハーバースプリングズを母としたボストンハーバーについて、遊佐場長は3月11日、「ボストンハーバーの死をとても悲しんでいます。長年にわたるファンの皆様からのご支持に感謝します」とツイートした。

 ボストンハーバーは、オーバーブルックファーム(代表:W・Y・ヤング氏)により生産・所有され、D・ウェイン・ルーカス調教師により管理された。5月25日にチャーチルダウンズ競馬場でのデビュー戦を勝利で飾り、2戦目のバシュフォードマナーS(G3)を制して重賞勝馬となった。続く3戦目のサンフォードS(G3)では、サラトガ競馬場のぬかるんだ馬場でホボーファームの自家生産馬ケリーキップ(Kelly Kip アレン・ジャーキンス厩舎)に土を付けられ、2歳シーズン唯一の敗北を喫した。その後、ブリーダーズフューチュリティ(G2 キーンランド)やBCジュベナイル(G1 ウッドバイン)などのステークス競走を4連勝し、2歳時に7戦6勝という素晴らしい成績を収めた。

 ボストンハーバーは父カポウティの競走生活を再現するようにBCジュベナイルで勝利し、1996年最優秀2歳牡馬に選出されるという栄誉に浴した。

 3歳となった同馬はサンタカタリナSで精彩を欠くスタートを切って4着に敗れた。その約3週間後、調教中に骨折したが幸いにも回復し、1998年にオーバーブルックファームで種牡馬入りした。初年度の種付料は2万5,000ドル(約275万円)だった。

 ボストンハーバーの種牡馬生活は派手に始まったわけではなく、2001年ファーストクロップサイアーランキングでは14位だったため、2001年末までにJBBAに売却された。

 同馬は日本で優れた種牡馬キャリアを築くことになる。産駒のうち90%が出走し、そのうち63%が勝馬となった。しかし同馬の最も優秀な産駒は、米国での4年間の種牡馬生活で送り出した産駒の中から出てきた。それは、G1馬で重賞4勝のヘルシーアディクション、G2勝馬のボストンコモン(Boston Common)とマイボストンギャル(My Boston Gal)、そしてG3勝馬のボストンブル(Boston Bull)とモークフォー(Mauk Four)である。

 ボストンハーバーが送り出した18世代の産駒のうち、20頭(3%)がブラックタイプ勝馬、15頭がブラックタイプ3着内馬である。日本で提供される高額賞金のおかげで、同馬の産駒獲得賞金は5,470万ドル(約60億1,700万円)を超える。

 またボストンハーバーは、ブルードメアサイアー(母父)として血統に足跡を残すことが約束されているようだ。同馬の牝馬はすでに合計35頭(3%)のブラックタイプ勝馬、40頭のブラックタイプ3着内馬を送り出しており、それらの馬は7,220万ドル(約79億4,200万円)超の賞金を獲得している。その中には、北米でG1を制したオフザトラックス・マイスウィートアディクション・ショットガンガルチのほか、重賞勝馬のシーリーヒル(2007年カナダ年度代表馬)・コンコードポイント(Concord Point)・エディハスケル(Eddie Haskell)など、計11頭の重賞勝馬がいる。またボストンハーバーは母父として、ウッドメモリアルS(G1)の2着馬ノルマンディーインヴェージョン(Normandy Invasion)も送り出している。

 ボストンハーバーの最後の世代の産駒2頭は2016年に生まれた。今年もなお2頭のボストンハーバー産駒が出走している。

By Eric Mitchell

(1ドル=約110円) 

          

[bloodhorse.com 2021年3月11日「Champion, Sire Boston Harbor Dies in Japan at 27」]


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