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2020年12月17日  - No.49 - 1

香港ヴァーズ優勝馬モーグル、2021年の大きな進化に期待(香港・アイルランド)[その他]


 エイダン・オブライエン調教師は、香港ヴァーズ(G1)優勝馬モーグル(牡3歳)はまだ最盛期には達しておらず、2021年に大きく進化するだろうと述べた。

 パリ大賞(G1 ロンシャン)を制して欧州のG1馬となったモーグルは、オブライエン調教師がいつも愛情深く語る馬であり、バリードイル(クールモアの調教拠点)の名伯楽は同馬が2021年に大仕事を成し遂げると予想している。

 「2021年はモーグルの年になるのではないかと考えています。来年はとても刺激的な馬になるように思われます。彼はすべての2000mから2400mのレースを狙えるでしょう」。

 「今からすこし休養させますが、管理するのが面白くてたまらない馬です。モーグルは道中スムーズに走り、速い馬場に適応します。とてもワクワクさせられています」。

 モーグルは好位から抜け出して力強く走り、最後の直線で電撃的な末脚を見せ、地元の1番人気馬エグザルタントを一気に追い抜いて先頭に立ち、粘りきって3馬身差の勝利を収めた。

 来年の凱旋門賞(G1)でモーグルには単勝13倍のオッズがつけられている。今年の凱旋門賞では飼料中の禁止薬物混入が取り沙汰されたために、モーグルは同厩舎馬のサーペンタイン・ジャパン・ソブリンとともに競走前日に出走取消となった。

 オブライエン調教師はモーグルの駆引きの上手さをよりよく理解し、まだ進化途上にあるという事実から、G1・2勝のこの牡馬が2021年にさらに頂点を極められると確信している。

 同調教師は、後方から突き抜けて優勝したパリ大賞(G1 ロンシャン)でのピエール-シャルル・ブドー騎手の乗り方がモーグルにとって大きな変化の契機のようなものになったと述べた。

 そして、それがモーグルの転換期であり、来シーズンは最高峰の2000m~2400mのレースでこの馬に有利に働くだろうと続けた。

 オブライエン調教師はこう説明した。「モーグルはマイラー、さらに言えばスプリンターにするために育てた馬ですが、いつも持久力のある馬だと考えていました。彼の最高の能力を見たのは、追い込む競馬をさせるようになってからです」。

 オブライエン調教師はこう付言した。「彼は急加速することも変速することもでき、持久力も明らかにあります。追い込む競馬をさせるようになってどのような能力があるのかを目の当たりにして、ようやく分かりました」。

 「初めて追い込む競馬をさせたのはロンシャンであり、それは彼にとって大きな強みになりました。彼は落着きながらも急加速できる馬の1頭です」。

 「戦略変更により彼は成功しましたが、まだ進化していますし、強くなりつつあります。彼は購買されたときから、いつも大きくて強く勢いのある牡駒でした。彼にはとてもワクワクさせられています」。

 12月13日(日)にモーグルがG1・2勝目を挙げるときにコンビを組んだライアン・ムーア騎手は、この馬をオブライエン厩舎の2007年凱旋門賞優勝馬ディラントーマスと比較した。

 オブライエン調教師はその比較について尋ねられてこう答えた。「体格的にはモーグルのほうがディラントーマスよりも大きくて強いです。ディラントーマスは2000mから2400mのレースで走らせるために育てられましたが、モーグルはスプリンターかマイラーにするために育てられました。そのためより大きく、強く、より丸みをおびたタイプの馬です」。

 ムーア騎手は夏にモーグルに騎乗してゴードンS(G3 グッドウッド)を制していたが、今回のレースではモーグルとともにそれ以来の勝利を収めた。「モーグルは楽々と勝利を収めました。ただ、まだ少し成熟していないところがあります。先頭に立つのはまだ早いと思ったのですが、彼が行こうとしたので、覚悟するしかありませんでした。彼は先頭に立ったとき、丹念に周囲を見回して様子を伺い、ただ好機を待ちました」。

 「とても見栄えの良い馬で、ディラントーマスを思い出させます。ディラントーマスには乗ったことがありませんが、才能あふれる素晴らしい気性の同じタイプの馬です」。

 オブライエン調教師は12月13日(日)に香港ヴァーズの3勝目を挙げて、このレースの最多勝トレーナーとなった。これまでに、ハイランドリールが2015年と2017年にこのレースを制している。

By Brian Sheerin

[Racing Post 2020年12月13日「'We're very excited by him' - O'Brien believes 2021 will be the year of Mogul」]


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