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2020年11月12日  - No.44 - 4

ウェイトゥパリス、ジャパンカップ参戦後に種牡馬入り(日本・アイルランド)[生産]


 サンクルー大賞(G1)優勝馬ウェイトゥパリス(牡7歳)はジャパンカップ(G1 11月29日)参戦後に、アイルランド・コーク州のクーラゴンスタッド(Coolagown Stud)で種牡馬入りする。

 アンドレア・マルチアリス厩舎のウェイトゥパリス(父シャンゼリゼ)は、この数年活躍してきた欧州の一流中距離馬の1頭である。馬主はパオロ・フェラリオ(Paolo Ferrario)氏。

 G1優勝に加えて、シャンティイ大賞(G2 ドーヴィル)を4½馬身差で制し、モーリスドニョイユ賞(G2 ロンシャン)で優勝した。サンクルー大賞の前に走ったガネー賞(G1 シャンティイ)では、後に凱旋門賞(G1)優勝馬となるソットサスにわずか頭差で敗れた。

 優秀で丈夫で安定しているウェイトゥパリスは2019年フォワ賞(G2 ロンシャン)でも、後に凱旋門賞優勝馬となるヴァルトガイストの2着となった。これまでの競走成績は34戦6勝で、獲得賞金は55万ポンド(約7,700万円)を上回る。

 サンクルー大賞とシャンティイ大賞でウェイトゥパリスを勝利に導いたピエール-シャルル・ブドー騎手はこう語った。「彼はスタミナをよくもたせ、素晴らしい末脚を発揮する強い馬です。また美しい馬体を持っています。綺麗な毛色とたくましい馬格をもつかっこいい芦毛馬です」。

 「どのような馬場状態も物ともしない毅然とした馬です。最大の武器はレース終盤で見せる加速力です」。

 ウェイトゥパリスの血統はとても魅力的である。父シャンゼリゼは現役時代にG1を数回制した良血馬であり、種牡馬としては平地の活躍馬として2015年ゴールドカップ(G1)優勝馬トリップトゥパリスや2018年英1000ギニー(G1)優勝馬ビルズドンブルックなどを送り出している。

 シャンゼリゼは2018年に15歳の若さで死ぬ前に、2シーズンのあいだアイルランドで障害競走馬の種牡馬として供用され、大人気を博した。

 ウェイトゥパリスは、G1・2勝馬ディスタントウェイの半弟である。母グレイウェイ(Grey Way 父コジーン)はG2優勝馬であり、一流種牡馬のプライベートアカウントやウッドマン、ケンタッキーダービー馬スーパーセイバーを送り出したファミリー(牝系)に属する。

 ウェイトゥパリスの初年度種付料は3,500ユーロ(約44万円)となる。生産者は最初に種付料の50%を支払い、その後牝駒が生まれたら残りを支払う必要はない。この契約をまとめたリチャード・ヴェン(Richard Venn)氏はこう語った。「しばらく前からウェイトゥパリスに注目していました。ご想像のとおり、いくつかフランスの牧場がこの馬に強い関心を抱く中で、私たちは何とか彼を預かる権利を獲得しなければなりませんでした。それゆえ、彼がアイルランドで種牡馬入りするのはアイルランドの生産者にとってとても喜ばしいことです。彼は障害競走だけでなく平地競走の種牡馬としても魅力的でしょう」。

 「彼の初年度種付料は、世界で起こっていること、それによる生産界への影響を踏まえたものです」。

 クーラゴンスタッドのマネージャーであるデヴィッド・スタック(David Stack)氏はこう語った。「ウェイトゥパリスを私たちの牧場に委ねてくれたフェラリオ氏にとても感謝しています。生産者たちと話すと、彼らは頑丈で素直で健康で安定した馬を探しています。ウェイトゥパリスはそれらの特徴をすべてもつ馬です。もし産駒が彼の能力や安定性を少しでも受け継げば、彼はトップクラスの種牡馬となるでしょう」。

 「彼は体高が16.1ハンド(約163.6cm)で、豪華な外見をしており、気性も素晴らしいです。生産者に彼を披露するのが待ち遠しいです」。

By Andrew Scutts

(1ポンド=約140円、1ユーロ=約125円)

[Racing Post 2020年11月10日「Group 1 winner Way To Paris off to Coolagown Stud after Japan Cup adventure」]

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