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海外競馬ニュース
2020年10月29日  - No.42 - 4

2021年ダーレーアメリカの種付料、大半が引下げ(アメリカ)[生産]


 ダーレーアメリカは生産者にとって試練の時であることに言及し、2021年は大半の種牡馬の種付料を引き下げることを発表した。トップ種牡馬のメダグリアドロの種付料は20万ドル(約2,100万円)から15万ドル(約1,575万円)に引き下げられる。種付料が引き上げられる唯一の種牡馬はファーストクロップサイアーのナイキストであり、その種付料は4万ドル(約420万円)から7万5,000ドル(約788万円)に増額される。

 ダーレーアメリカの販売部長であるダレン・フォックス(Darren Fox)氏はこう語った。「私たちは種付料を設定するときに、今日の経済の現状を反映するために大いに配慮しました。生産者たちは、先行きが不透明で厳しい販売状況の中で、かじ取りをしています。そのため、私たちは1頭を除くすべての種牡馬の種付料を引き下げます。これまでの生産者からの支援に深く感謝しており、2021年がより良く明るいものになることを期待しています」。

 2020年は、メダグリアドロ産駒の売行きが上々だった。メダグリアドロ(21歳 父エルプラド)の1歳産駒は現在のところ、北米において平均価格・中間価格で首位であり、4頭が100万ドル(約1億500万円)を上回る価格で購買されている。2019年も100万ドル超えの1歳産駒は4頭だった。ダーレーアメリカによると、メダグリアドロは2016年からその1歳産駒が総額2,000万ドル(約21億円)で取引されており、これに匹敵する種牡馬はいない。

 世界中で75頭のメダグリアドロ産駒が重賞を制しており、そのうち25頭がG1馬である。メダグリアドロが一貫して質の高い競走馬を送り出す傾向は、今年さらに実証された。ダーレーアメリカによると、モレッティ(Moretti)がバードストーンS(L)を制したことで、メダグリアドロは今やサラトガ競馬場で史上最多のブラックタイプ勝馬20頭を送り出している。G1を制した産駒ハイヤーパワーは、今年のBCクラシック(G1 キーンランド)に出走予定である。

 ナイキストはこれまで2歳の勝馬を10頭送り出している。その中には、スピナウェイS(G1)優勝馬のヴィクイストとサマーS(芝G1)優勝馬のグレツキーザグレートがいる。これら2頭は11月のブリーダーズカップに参戦する予定。ナイキスト産駒はセリでも人気であり、3頭が50万ドル(約5,250万円)以上の魅力的な価格で購買されている。ナイキストは現在、北米ファーストクロップサイアーランキング(賞金別)でノットディスタイム(Not This Time)に次ぐ2位であり、この2年間に送り出した1歳産駒の平均価格と中間価格で首位となっている。

 ストリートセンスの2021年種付料は今年の7万5,000ドル(約788万円)から6万ドル(約630万円)に引き下げられる。2020年は、同馬の産駒マックスフィールド、マッキンジー、カザデロ(Cazadero)、シェアドセンス(Shared Sense)が重賞勝馬となっている。

 バーナーディニとハードスパンの2021年種付料は、いずれも今年の4万ドル(約420万円)から3万5,000ドル(約368万円)に引き下げられる。バーナーディニ産駒では、BCダートマイル(G1)に出走予定のアートコレクター(Art Collector)はブルーグラスS(G2)を制したことで米国の有力3歳牡馬として名を連ねている。また、レディケイト(Lady Kate)とミシュリン(Micheline)はいずれもG1競走で2着になっている。ハードスパン産駒の中のトップクラスの競走馬には、G1馬ハードノットトゥラブと、サラトガオークス招待S優勝馬でG1・2着馬のアントワネット(Antoinette)が含まれている。

 メトロポリタンH(G1)をレースレコードで制したフロステッドの2021年種付料は今年の4万ドル(約420万円)から2万5,000ドル(約263万円)に引き下げられる。同馬はこれまで2歳の勝馬9頭を送り出しており、好時計で勝った将来有望な馬が含まれている。

 ストリートボスも今年、2歳のステークス勝馬を数頭送り出している。同馬の2021年種付料は今年の2万ドル(約210万円)から1万5,000ドル(約158万円)に引き下げられる。

 G1優勝を果たしたメダグリアドロ産駒、アスターンは再び豪州からシャトルされる。同馬の初年度産駒は2021年に2歳となる。同馬の2021年種付料は7,500ドル(約79万円)。ブラックタイプ勝馬が全産駒の17%を占めるミッドシップマンと、エンタイスド(Enticed)も同様に7,500ドル(約79万円)で供用される。エンタイスドはメダグリアドロ産駒であり、2020年は148頭に種付けを行っている。
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By Blood-Horse Staff

(1ドル=約105円)

[bloodhorse.com 2020年10月20日「Darley Lowers Majority of 2021 Stud Fees」]


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