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2020年10月01日  - No.38 - 4

凱旋門賞ウィークエンド、出走馬関係者は賞金一部を引退馬再調教に寄付(フランス)[開催・運営]


 引退競走馬の再調教を行う慈善団体オードゥラデピスト(Au-Dela des Pistes:ADDP)は、凱旋門賞ウィークエンド(10月3日~4日 ロンシャン競馬場)で新たなイニシアティブの支援を通じて多くの寄付を集めることを望んでいる。

 そのイニシアティブを最初に実施したのは、米国のブリーダーズカップ開催である。フランス競馬の最大の祭典、凱旋門賞ウィークエンドの出走馬の馬主・調教師・生産者・騎手は、ADDPの取組みを支援するために獲得賞金のごく一部を寄付するように勧められている。

 ADDP(2016年創設)は以下の任務を担っている。

(1) 専門知識を持った適切な引退馬施設の認可。
(2) 他の馬スポーツに向けた再調教、もしくは静かな引退生活に順応させる準備に、元競走馬を託す。

 ADDPのアリエット・フォリアン(Aliette Forien)会長は、「これは素晴らしいイニシアティブであり、大変ありがたく思っています。すでにミカエル・バルザローナ騎手が凱旋門賞ウィークエンドの獲得賞金の一部の寄付を申し出てくれています。このような行為は、連帯をはっきりと示すことになります」と語った。

 他の欧州諸国に比べれば、フランスの競馬界の財政状態はPMU(フランス場外馬券発売公社)の収益により良好に保たれている。しかしそれでもなお、新型コロナウイルスの感染拡大をうけて競馬界のさまざまなレベルにおいて馬主・調教師は苦戦を強いられており、ADDPはこれまで以上に必要とされている。

 フォリアン会長はこう続けた。「私たちはますます多くの馬を引き受けているので、新たな資金源を見つける必要があります。なぜなら、私たちが馬を置き去りにすることなどありえないからです。すべての馬を引き受け、再調教とリハビリのために専門知識を持った適切な施設に託します。混迷する年にはいつもADDPの必要性は高まりますが、今年はまさにそうです」。

 「これは競馬界のプロたちによる、またフランスギャロ(France Galop)による寛大な意思表示であり、注目すべきイニシアティブです。凱旋門賞に参加する関係者は皆、ADDPに寄付するでしょう」。

 フランスギャロは凱旋門賞当日のチケット販売からADDPの収入へ拠出すると約束していた。しかし、今年の凱旋門賞の入場者数の上限は5千人から1千人に減らされたため、当初望んでいたほど寄付は集められないだろう。

By Scott Burton

[Racing Post 2020年9月27日「French retraining of racehorses charity launches Arc-based initiative」]

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