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2020年10月01日  - No.38 - 1

2021年サウジカップは2月20日に開催(サウジアラビア)[開催・運営]


 総賞金2,000万ドル(約21億円)のサウジカップの第2回目は、2021年2月20日に施行される。しかし、新型コロナウイルスの世界的流行、第1回の優勝馬マキシマムセキュリティへの賞金支払いが保留中、という課題を抱えている。

 2021年サウジカップ開催(リヤド・キングアブドゥルアジーズ競馬場)では、新設レースが施行され、3つの前座レースの賞金が引き上げられる。サウジアラビア・ジョッキークラブ(Jockey Club of Saudi Arabia:JCSA)の会長であるバンダル・ビン・カリド・アル・ファイサル殿下(Prince Bandar bin Khalid Al Faisal)は、9月29日に行われたオンライン会見においてこう語った。

 「JCSAの役員は、2020年サウジカップは大成功を収め、我々の国において変化の原動力になると考えています。新設された国際競馬イベントの第1回目で世界中の最も優秀な競走馬・調教師・騎手を引き付けたことを考えれば、その成功はどれだけ誇張しても足りないくらいでしょう」。

 「私たちはG1馬22頭を迎えました。それらの馬は合計でG1・34勝を挙げていました。伝統ある世界最高峰の競馬祭典においてさえもそれは素晴らしい数字ですが、新設された国際競馬イベントであることを考えればなおさらです」。

 2020年サウジカップ開催は、サウジアラビア競馬史上初めて女性騎手に門戸を開放した。ニュージーランドのリサ・オールプレス騎手はジョッキーチャレンジの第1レースを制した。そしてスイスのシビル・ヴォークト(Sibylle Voght)騎手がこのジョッキーチャレンジの総合チャンピオンとなり、フランス人女性ジョッキーのミカエル・ミシェル騎手が2位、マイク・スミス騎手が3位となった。

 スミス騎手は当初、ジョッキーチャレンジの総合チャンピオンとして祝福を受けたが、後になって3位に降格となった。レーシングポスト紙が伝えたところによると、スミス騎手が優勝した2つのレースのうちの1つで騎乗したサンハット(Sun Hat ベダン・アルスベイ厩舎)から禁止薬物コバルトを使用した痕跡が見つかった。

 米国のスミス騎手とイラッド・オルティス騎手は、鞭使用ルール違反で裁決委員から長期の騎乗停止処分と高額の過怠金を科された。サウジアラビアは米国よりもずっと厳格な鞭使用ルールを適用している。

 バンダル殿下はこう語った。「2020年サウジカップは素晴らしいスタートになりました。しかし私たちは現在、2021年サウジカップに意識を向けており、1年目に得た教訓から学ぶつもりです」。

 2020年サウジカップでは、マキシマムセキュリティが優勝し、優良牝馬ミッドナイトビズー(Midnight Bisou)が2着、ゴドルフィンのベンバトル(Benbatl)が3着となった。米国ではマキシマムセキュリティの元調教師ジェイソン・サーヴィス氏がドーピングで起訴され調査が継続中である。そのため、JCSAは馬主のゲイリー&メアリー・ウエスト夫妻とクールモアパートナーズに支払う優勝賞金を保留としている。

 2020年サウジカップ開催では、外国調教馬64頭(10ヵ国から遠征)が国際競走7レースに参戦して5レースを制した。JCSAの役員は、サウジインターナショナルハンデキャップ(2月19日に施行)の新設により、さらに多くの国々からの参戦を望んでいると述べた。

 新たな総賞金50万ドル(約5,250万円)のサウジインターナショナルハンデキャップ(芝2100m)の出走馬は、IFHA(国際競馬統括機関連盟)のパートI国に入っていない国の調教馬に限定される。

 バンダル殿下は、「2021年サウジカップにこうした変化をもたらすことで、競馬とスポーツのファンが、現地で我々とともに直に観戦しようとも、自宅でテレビ観戦しようとも、できるかぎり興味深くて好奇心をそそる競馬開催を楽しめることを望んでいます」と付言した。

 JCSAの戦略・国際競走担当理事を務めるトム・ライアン(Tom Ryan)氏は、新型コロナウイルスの世界的流行とそれに付随する移動・検疫に関するルールを考えれば、2021年サウジカップは懸念が広がる中で進捗することになると認めた。2020年サウジカップはちょうど移動が制限され始めた中で施行され、やっとのことでリヤドに到着した関係者もいた。

 ライアン氏はこう語った。「現在も大規模な国際イベントを開催するのが難しい時期です。難儀な仕事に着手しようとしていることを実感しています。2021年サウジカップをできるかぎり最善かつ安全な方法で開催しようとしており、出来るかぎりの情報を収集しながら各国の競馬統括機関と緊密に取り組むでしょう」。

 JCSAは2021年サウジカップ開催でレースが新設されることに加え、以下のダート3競走の総賞金を引上げることを発表した。

サウジダービー(ダート1600m)
総賞金80万ドル(約8,400万円)⇒ 150万ドル(約1億5,750万円)
オバイヤアラビアンクラシック(純血アラブ限定 ダート2000m)
総賞金190万ドル(約1億9,950万円)⇒ 200万ドル(2億1,000万円)
ジョッキークラブローカルH(サウジアラビア調教馬限定 ダート1800m)
総賞金は50万ドル(約5,250万円)⇒ 100万ドル(約1億500万円)

By Bob Kieckhefer

(1ドル=約105円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2020年No.9「マイク・スミス騎手、鞭使用回数超過により超高額の過怠金(サウジアラビア)」、No.31「サウジカップ、2着~10着馬に賞金分配も優勝賞金は保留(サウジアラビア)

[bloodhorse.com 2020年9月29日「Saudi Cup to Return in 2021 Despite COVID-19」]


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