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海外競馬ニュース
2020年09月17日  - No.36 - 2

モーグル、凄まじい加速力でパリ大賞優勝(フランス)[その他]


 G1の高額賞金がかかり、優良ステイヤーの英ダービー馬サーペンタイン(Serpentine)が参戦することになり、今年のパリ大賞(G1 2400m)は通常見られる"もたつき"もなく、本物のスピード勝負の最強馬決定戦となった。

 最強馬となったのはモーグル(Mogul)だった。エイダン・オブライエン調教師は、同馬が凱旋門賞(G1)に参戦する可能性を除外していない。しかしこの名伯楽がモーグルの今後のさまざまな進路を語りたがることで、モーグルの凱旋門賞での単勝オッズを21倍(コーラル社)や13倍(パディパワー社)としているブックメーカーはやきもきさせられそうだ。

 カラ競馬場でテレビ観戦していたオブライエン調教師はこう語った。「モーグルはかなりのスピードを見せました。"道を間違えてしまったのかもしれない。距離をl¼マイル(約2000m)に戻すべきだったのはないか"と考えていました。ピエール-シャルル・ブドー騎手には、"スピードを出させるような乗り方をしてください。じっくり待ってから、彼を解き放ってください。速い馬なので、かならず加速できます"と言いました」。

 「モーグルは凱旋門賞を目指しますが、豪州のレースや英チャンピオンS(G1 約2000m)も気になるので、凱旋門に出なければいけないわけではありません。このレースの前には、距離をl¼マイルに戻すことを考えていました。彼は米国や香港に遠征することもできますし、多くの選択肢があります。それにコーフィールドカップ(G1 2400m)とコックスプレート(G1 2400m)に登録しています」。

 モーグルはオブライエン調教師に、パリ大賞3連覇を実現させた。同馬の全兄ジャパンは昨年7月に通常どおりに施行されたこのレースで優勝し、重馬場となった凱旋門賞でヴァルトガイストの4着となった。

 ブドー騎手は当然のことながらモーグルの加速力に感心していた。モーグルは2着の独ダービー馬インスウィープ(In Swoop)と3着のゴールドトリップ(Gold Trip)に2½馬身差をつけた(2着と3着は短頭差)。

 ブドー騎手はこう語った。「レース前にエイダンは自信を持たせてくれました。"モーグルは先頭に立てば自ら疾走できるので、まずはじっくり待ってください。そうすれば任務完了だと思ってください"と言いました」。

 「我慢強く待たなければならなかったのですが、先行馬は順調に私たちを導いてくれました。モーグルは内埒沿いでたやすく加速し、直線に入ってもまだハミを取っていました。その時点ですごく自信がありました」。

 「大外の10番ゲートからの発走は理想的ではなく、主なライバルのほとんどは内枠からの発走でした。しかし、レースはまあまあのペースで進んだので、必要なときに差が広がりました。レースの流れに助けられました」。

 サーペンタインは英ダービーでの奔放に疾走するスタンドプレーを繰り返そうとはしなかった。同じ厩舎のノーブルプライズ(Nobel Prize)のリードに任せて最終的には粘って4着となった。

 オブライエン調教師はこう語った。「サーペンタインは凱旋門賞に戻って来るでしょう。今回は長い休養明けの1走目でした。鞍上のスミヨン騎手が喜んでいたので、私もとても嬉しかったです」。

 フランキー・デットーリ騎手を背にイングリッシュキング(English King 6着)は良いスタートを切ったが、馬群の中で徐々に下がって行った。最後の直線で最高の走りを見せられず、先行馬に追いつくようには見えなかった。

 ロンシャン競馬場に来るために隔離期間を過ごした馬主のビョルン・ニールセン(Bjorn Nielsen)氏は、「私たちはイングリッシュキングがリングフィールドで優勝したときのような良好な状態だと考え、今日は素晴らしいレースをするだろうと思っていました。実力が発揮できなくて残念でした」と語った。

By Scott Burton

[Racing Post 2020年9月13日「Anywhere but Paris? Grand Prix win could set Mogul on international adventure」]


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