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海外競馬ニュース
2020年08月13日  - No.31 - 2

エネイブル、ヨークシャーオークスには出走せずにセプテンバーSへ(イギリス)[その他]


 エネイブルは、イボアフェスティバル(ヨーク競馬場 8月19日~22日)のヨークシャーオークス(G1)で実現すると思われていた英オークス(G1)優勝馬ラブ(Love)との対戦を見送ることになった。ジョン・ゴスデン調教師は「彼女が史上初の凱旋門賞(G1)3勝を達成するチャンスを最大限に高めるためです」と述べた。

 凱旋門賞2勝馬エネイブルは、出走しない英インターナショナル(G1)の勝馬予想でも有力馬の1頭とされている。2017年~2019年の凱旋門賞に出走したが、2017年と2019年にヨークシャーオークスをステップレースとして使った。しかし、馬主のカリド・アブドゥラ殿下のレーシングマネージャー、テディ・グリムソープ(Teddy Grimthorpe)氏は8月10日に「エネイブルは、ヨークシャーオークスではなく9月5日のケンプトン競馬場のセプテンバーS(G3 ポリトラック 約2400m)に出走して凱旋門賞に備えます」と語った。

 ゴスデン調教師もこの決定について説明した。「エクリプスS(G1)はキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)の3週間前で、ステップレースとしては完璧なタイミングでした。凱旋門賞の6週間以上前のヨークシャーオークスは、セプテンバーSほどふさわしいタイミングではありません」。

 「私たちは2018年にセプテンバーSをステップレースとしてうまく使いました。伝統的なフランスのトライアル競走に参戦させるために、凱旋門賞の3週間前にエネイブルをロンシャンに連れて行きたいとは思いません。ただ凱旋門賞の前に一度出走させたいと考えました」。

 「彼女は"凱旋門賞3勝"のためだけに、今年現役を続行しました。だからこそ、この計画で行きたいと思います」。

 凱旋門賞は、セプテンバーSの29日後、ヨークシャーオークスの45日後である。

 エネイブルは7月25日にアスコット競馬場で史上初のキングジョージ3勝を達成した。その後は史上初のヨークシャーオークス3勝を達成して歴史をさらに塗り替えるために、ヨーク競馬場に向かう予定だった。

 しかし、馬主アブドゥラ殿下に気持ちの変化があった。グリムソープ氏は、「アブドゥラ殿下はエネイブルが次に参戦するレースをセプテンバーSに決定しました」と語った。

 そして、「この決定にいたった理由は沢山あります。私たちは凱旋門賞を最大目標としており、エネイブルは今では6歳です。彼女がヨーク競馬場を得意としていることは分かっていますが、セプテンバーSから凱旋門賞に向かったときもうまく行きました。私たちは彼女をできるかぎり良い状態で凱旋門賞に挑ませるにはこっちのレースだろうと考えました」と説明した。

 8月10日にゴスデン調教師が注意深く見守る中、ウォレンヒルでキャンターしたエネイブル(父ナサニエル)の調子は良さそうに見えた。

 ウィリアムヒル社はヨークシャーオークスでのエネイブルの単勝オッズを2.5倍、ライバルのラブの単勝オッズを1.8倍としていた。しかし世紀の対決は10月の凱旋門賞に持ち越されるようだ。同社は凱旋門賞でのエネイブルの単勝オッズを3.5倍としている。これはラブの4倍よりも好意的なオッズである。

 ケンプトン競馬場の競走担当理事であるバーニー・クリフォード(Barney Clifford)氏は、「素晴らしいニュースです。セプテンバーSは凱旋門賞のステップレースとして実績があり、この一報を読んで喜んでいます」と述べた。

By Stuart Riley and David Milnes

[Racing Post 2020年8月10日「'All about the Arc' as John Gosden explains decision to bypass York with Enable」]


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