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2020年07月16日  - No.28 - 1

ピナトゥボ、ジャンプラ賞で復活勝利(フランス)[その他]


 チャーリー・アップルビー調教師はピナトゥボ(Pinatubo 2019年欧州最優秀2歳牡馬)が今シーズン3戦目に挑む前、強く信頼していると語っていた。

 ピナトゥボがジャンプラ賞(G1 1400m ドーヴィル)を制してウィナーズサークルに返り咲いた後、ウィリアム・ビュイック騎手は"高揚感"や"復活力"という言葉で喜びを表現した。

 ビュイック騎手は残り300mで必死になっていたが、ピナトゥボは昂然と先頭との差をつめ、ロペイフェルナンデス(Lope Y Fernandez)をゴール手前でとらえようとしていた。迫ってきていたマロトゥル(Malotru)が3着に入ったので、英国とアイルランドからの遠征馬が1着~3着を独占した。

 この結果に反応して、7月29日のサセックスS(G1 約1600m グッドウッドフェスティバル)のピナトゥボの単勝オッズは変動している。パディーパワー社は5.5倍から4.3倍に下げ、コーラル社は1番人気馬シスキン(Siskin 愛2000ギニー優勝馬)に次ぐ3.5倍とした。

 しかしアップルビー調教師は、ピナトゥボはサセックスSにはおそらく出走しないと述べている。

 「モハメド殿下と話し合おうと思っていることですが、サセックスSへ出走させる可能性は極めて低いと言えるでしょう。英2000ギニー(G1 約1600m ニューマーケット)からセントジェームズパレスS(G1 約1600m ロイヤルアスコット開催)への間隔が2週間、それから3週間後に今回のジャンプラ賞です。少し休養させるほうが良いと思います」。

 「私たちは秋を見据えて、ムーランドロンシャン賞(G1 1600m ロンシャン)かフォレ賞(G1 1400m ロンシャン)に挑戦するためにフランスに戻ってくるかどうかを検討します。重要なことは、ピナトゥボが3歳シーズンでも実力を証明する仕事を成し遂げたということです」。

 アップルビー調教師は"今シーズン最初の2敗でプレッシャーを感じていたか?"と聞かれて、5週間でG1を3戦させることに積極的だったのはピナトゥボのオーナーブリーダーだったと語った。

 「モハメド殿下はいつも私たちに大きな信頼を寄せてくれています。英2000ギニーとセントジェームズパレスSで敗北を喫したときは、受け入れがたいものがありました」。

 「10日前、殿下と話した際にピナトゥボがとてもいい状態であると伝えたら、殿下は"満足しているのであれば次も出走させてください"と言いました。ありがたいことに、今回は何とか結果を出すことができました」。

 ビュイック騎手は、ピナトゥボが前走のセントジェームズパレスSでパレスピア(Palace Pier)の2着に敗れてからどれだけ成長したかを、最も適切に判断できる立場にある。

 「今日ピナトゥボは絶好調で、才能とスピードを見せつけました。距離を1400mに短縮したことで、少しラクに勝てたのではないかと思います」。

 「彼にはまだあらゆる選択肢があります。レースで彼がいかに素晴らしい走りをし、どれくらい速く他馬を猛追するかを見るのは実に気分が良いものです。とてもワクワクさせられる馬です」。

 「セントジェームズパレスSでは何のミスもありませんでしたが、その日のレースでより強い力を見せた進化中の馬に抜かされてしまいました。しかし、彼はそのレースから得た復活力と気質を見せつけ、それが今日の結果につながったと思います」。

 イオリッツ・メンディザバル騎手は、ロペイフェルナンデスから同厩馬アリゾナ(Arizona エイダン・オブライエン厩舎)を上回るパフォーマンスを引き出し、仏ダービー(G1 2100m シャンティイ)での勝利から7日ぶりにウィナーズサークルに戻ってもおかしくないほどの活躍を見せた。

 同騎手は、「彼のパフォーマンスに満足しています。ゴールで素晴らしいスピードを見せました。強豪馬に負かされてしまいましたが、恥じることはありません。もう少し走る距離を節約できていれば、良い結果につながったのかもしれません」。

 マロトゥルはロイヤルアスコット開催を回避したことで、キャリア最高の手柄となるG1・3着を達成するという見返りを得た。同馬を管理するマルコ・ボッティ調教師はこう語った。

 「よく頑張りました。私たちは良いレースをしてくれるようにフランスまで遠征してきたのですが、最終的な出走表を見たところ強豪馬が揃っていたので、運が悪いと思っていました。私たちは彼が一番得意とする距離、しかも彼が好む良馬場で、一か八かの挑戦をし、立派に3着を確保しました。サセックスSに挑むかどうかは分かりません。ハンガーフォードS(G2 約1400m ニューベリ)のようなレースを狙うかもしれません」。

By Scott Burton

[Racing Post 2020年7月12日「Pinatubo back to winning ways in Prix Jean Prat but Siskin Sussex clash unlikely」]

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