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2020年07月02日  - No.26 - 2

ケンタッキー州、使用回数を6回とする鞭使用ルールを承認(アメリカ)[開催・運営]


 ケンタッキー州競馬委員会(KHRC)は6月16日、新たな鞭使用ルールを満場一致で承認した。

 新ルールでは、レース中に騎手が最初の1ハロン(約200m)以降に鞭を使用できる回数は6回で、馬に反応させるために連打できるのは2回だけとなる。ただし騎手は、他の騎手・馬に危害を及ぼすような危険な状況を回避する場合であれば、裁決委員に判断を委ねながらも鞭を使用できる。

 6月15日に約2時間にもわたる会議が行われ、騎手組合(Jockeys' Guild)からも意見が出された。それを受け、KHRCの安全・福祉委員会(Safety and Welfare Committee)とルール委員会(Rules Committee)は新たなルールを承認し、翌日のKHRC全体の会議で諮られることになった。

 ルール委員会のマーク・シメンディンガー(Mark Simendenger)委員長は6月15日の会議について、「長い会議でしたが、合意に向けて妥当な意見交換がなされたと感じています。会議が始まったときよりも、どんどん核心に近づきました。両者の協力のおかげです。ケンタッキー州の競馬にとって前進だと考えます。最終的な結果に満足しており、このルールがどのように機能するかを見るのを楽しみにしています」と述べた。

 安全・福祉委員会のチャーリー・オコナー(Charlie O'Conner)委員長は、「私たちがやりたかったことに耳を傾け、受け入れてくれた騎手組合に感謝したいと思います。私たちは最終的に、安全なレースが行えるよう努めていきます」と語った。

 また6月16日のKHRC全体の会議において、馬医療担当理事のブルース・ハワード(Bruce Howard)博士がラシックス(別名フロセミド)に関して、こう報告した。

 「チャーチルダウンズ開催の2歳限定戦では、レース発走前24時間以内の抗出血剤ラシックスの投与を認めていません。これまで2歳限定戦を11レース施行しました。出走頭数は合計107頭で、1レース当たりの平均出走頭数は9.7頭です。鼻出血の症例は確認しておらず、今年はどの馬もラシックスなしで競走しています」。

 ケンタッキー州ホースマン救済協会(Kentucky Horsemen's Benevolent and Protective Association:KHBPA)は以前、チャーチルダウンズ競馬場・キーンランド競馬場・KHRCを相手取り、「競走当日に2歳馬にラシックスを投与してはならない」とする競馬場の競走条件について訴訟を起こしていた。巡回裁判所判事は最近、これらの競馬場とKHRCの立場を支持し、KHBPAは訴訟を起こす資格を欠くとしてこの訴えを棄却した。後日KHBPAは、その棄却について訴訟を起こしている。

 6月16日の会議は新型コロナウイルス感染拡大のために遠隔で行われ、KHRCの新たな理事であり委員長であるジョナサン・ラビノウィッツ(Jonathan Rabinowitz)氏が初めて議長を務めた。エリスパーク競馬場が当初割り当てられていた開催日を断念したことを受け、チャーチルダウンズ競馬場が現行の競馬開催に新たに6月28日を追加することが承認された。エリスパーク競馬場は現在、開催初日を7月2日とし、開幕週に日程を追加することを予定している。

By Ron Mitchell

[bloodhorse.com 2020年6月16日「Kentucky Racing Commission Approves New Crop Use Rules」]

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