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海外競馬ニュース
2020年05月07日  - No.18 - 3

チェルトナムフェスティバルの実施は適切だったと保健相が弁護(イギリス)[開催・運営]


 マット・ハンコック保健相は4月28日、「チェルトナムフェスティバル(3月10日~13日)の実施を認めたのは、"適切な措置"だった」とする政府のスタンスを繰返し述べた。

 3月10日~13日の4日間、チェルトナムフェスティバルは開催された。それ以降、このフェスティバルは"政府は新型コロナウイルス感染拡大に何の手も打たない"という批判の格好の例となった。また一部から、英国とアイルランドでの感染拡大の一因となったという非難の声も上がった。

 ウエストサフォーク(ニューマーケットが含まれる)選出のハンコック保健相は、4月28日のLBCラジオに電話出演した。そしてチェルトナムの住民から、「フェスティバルは開催されるべきでしたか?」、「今後、科学的証拠を検証することを約束しますか?」と尋ねられた。

 ハンコック保健相はこう回答した。「科学的検証を行うときは来るでしょう。必要とされる検証が行われることは全く疑いようがなく、将来このようなパンデミックが発生する場合に備えて学ぶ必要があるので至極当然です」。

 「私たちは科学的助言に従い、科学によって導かれてきました。概ね、その当時においては適切な措置を取ったと考えています。英国は他の欧州諸国より先に、対策を講じ始めました。情報が不十分でも行動しなければならなかった状況で、様々なことを学びながら、できることをやりました。」。

 この数週間のうちに競馬を含むスポーツの再開計画を主導するオリバー・ダウデン文化相も4月20日、チェルトナムフェスティバルの実施の決定を弁護した。また、BHA(英国競馬統括機構)のCEOニック・ラスト氏などは、フェスティバルと同じ週に他にも多くのスポーツイベントが実施されていたことを引き合いに出していた。

 しかし元公衆衛生庁・南西イングランド局長のガブリエル・スカリー(Gabriel Scally)教授は4月23日、BBCでこう語った。「ついついチェルトナムフェスティバルと結び付けて考えてみたくなります。実際に衛生的な観点からすれば、前もって中止するべきだったでしょう」。

 4日間のチェルトナムフェスティバルは、前年から約5%減少したものの25万人以上の観衆を集めた。チェルトナム競馬場はフェスティバルの前に、新型コロナウイルスの感染徴候のある人々や2週間以内に北イタリアなど感染のホットスポットを訪れた人々に対して、来場しないように助言していた。

 感染防止対策の強化の一環として、場内には除菌ジェルを備え、手を洗浄できる衛生センターが設置されていた。ただしその時は、"大勢の集まり"が感染を拡大させる可能性があるとされていなかった。

 政府からの"ソーシャルディスタンスを保つ措置"、"不要不急の外出"、"大勢の集まり"に関する勧告は、変更もしくは厳格化された。これを受け、競馬界はサッカー・クリケット・ラグビー・ゴルフで取られた措置に倣った。そのため競馬は3月17日から施行されていない。

By Peter Scargill

[Racing Post 2020年4月28日[Matt Hancock offers public defence of Cheltenham Festival taking place]]


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