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海外競馬ニュース
2020年04月02日  - No.13 - 3

BHA、経費節減策として大多数のスタッフを一時休業に(イギリス)[開催・運営]


 BHA(英国競馬統括機構)は、四面楚歌の競馬産業の財政負担を削減するために、1ヵ月につき約100万ポンド(約1億3,500万円)の経費節減策を発表した。これには、大多数のスタッフの一時休業も含まれる。

 BHAは政府の雇用維持計画の下、260人中200人以上のスタッフを一時休業させる緊急財務計画を実行することに合意した(訳注:英国政府が発表した雇用維持計画では、国内企業が従業員の雇用を維持した場合に従業員の給与の最大8割を政府が補助することになる)。

 ただしBHAはこのような措置を取るものの、状況が好転すれば5月1日に競馬を再開できるように水面下で懸命に取り組んでいる。

 一時休業を言い渡されるスタッフの大半は競馬開催日の執務員であるが、BHA本部のスタッフの一部も休業を余儀なくされる。

 理事を含むBHAの全てのスタッフは、業務の有無に関わらず給与を削減される。

 英国で競馬が4月末まで全面的に中止されるという事実を鑑みて、BHAはスタッフの一時休業に加え、他にも経費節減策を講じる。

 これらの措置は、1ヵ月あたり約100万ポンド(約1億3,500万円)の経費節減になると見込まれており、これはBHAの通常時の月間経費の3分の1にあたる。

 BHAのアナマリー・フェルプス会長は3月27日、こう語った。「BHA理事会は、競馬産業の危機対応においてBHAの然るべき役割を果たすチームを維持すべく、さまざまな選択肢を考慮しました。その中には、BHAが競馬産業のリーダーたちとともに取り組む緊急の財務活動が含まれており、政府と効果的に関わり、競馬再開の際には適切な計画と人材を結集することを確認しています」。

 「現在のところ競馬の中止は4月末までとされていますが、再開が可能だと認められれば、競馬界が5月1日から万全の体制でレースを施行できるようにするつもりです」。

段階的な競馬再開

 BHAの最高規制責任者ブラント・ダンシー(Brant Dunshea)氏が率いる "競馬再開ワークストリームグループ"は、競馬が再開できる状態になり次第、英国競馬が軌道に乗るように主要な業界団体と連携している(訳注:ワークストリームとは、効率向上のために定められた一連の作業や優先事項のこと)。

 無観客から始めるなど段階的な競馬再開が見込まれているが、まず初めに平地競走に重点が置かれるだろう。

 障害シーズンは正式にはまだ終幕していないが、ダンシー氏は障害競走が再開されるにはより長い時間が掛かるとし、こう述べた。「平地競走に続いて、できるだけ早い時期にバンパー競走(障害に転向する馬に経験を積ませるためのフェンスのないレース)の日程を組んで障害競走を再開するように取り組みます。それにより、調教師は馬を放牧すべきか調教し続けるべきかを判断できるかもしれません」。

 経費を削減する組織はBHAだけではない。賭事サービス&データのプロバイダーであるSIS社(Satellite Information Services: 衛星情報サービス)は"休眠モード"に突入する。

 かなりの数のスタッフが一時休業となり、不要不急のサービスはすべて閉鎖される。

 SIS社のCEOリチャード・エイムズ(Richard Ames)氏はこう語った。「SIS社はこのような異常な状況なので、暫定的な休眠期間に入ります。ライブの競馬コンテンツが復活すればすぐに、弊社はこれまでと変わらぬクオリティーで顧客が必要とするものを提供するサービスを再開するつもりです」。


By David Baxter

(1ポンド=約135円)


[Racing Post 2020年3月27日「BHA reveals monthly savings of £1m as industry battles with coronavirus outbreak」]


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