フランス競馬は4月15日まで中止、ドイツ競馬も中止(欧州)[開催・運営]
フランスギャロ(France Galop)とルトロ(Le Trot フランス速歩競走協会)の臨時会議を受けて、フランスは新型コロナウイルスの感染拡大防止のために競馬を中止する最初の主要競馬国となった。
3月17日から4月15日まで、平地クラシックのトライアル競走やパリ大障害のステップ競走を含むすべてのレースが中止された。
2つの競馬統括機関は競馬開催を全面的に無観客にする措置を取ってから3日後の3月16日、特別会議を招集した。
この中止決定の背景には、エマニュエル・マクロン大統領が保健・防衛の最高責任者たちと"人の移動のさらなる制限措置"を協議していることがあった。
中止が決まった重要な競走
3月28日(土)エドモンブラン賞(G3)(サンクルー競馬場)
4月4日(土)ミュラ賞(G2)(オートゥイユ競馬場)
4月5日(日)アルクール賞(G2)(ロンシャン競馬場)
4月7日(火)ジャベル賞(G3)・アンプリューダンス賞(G3)(ドーヴィル競馬場)
4月12日(日)フォンテーヌブロー賞(G3)・ラグロット賞(G3)(ロンシャン競馬場)
4月13日(月)シギー賞(G3)(シャンティイ競馬場)
フランスギャロのエドゥアール・ド・ロトシルト会長とルトロのジャン-ピエール・バルジョン(Jean-Pierre Barjon)会長は共同声明でこう述べた。
「私たちは、競馬に関係する全ての人々の健康と、国からの指示を最優先します。競馬を全面的に中止することで、何よりも現在起こっているパンデミックから人々を守りたいと思います。またこの決断により、馬産業が国全体に対してその連帯感と責任を示します。競馬中止による経済的影響は十分に心得ています。そのため、競馬事業に関わる人々から競馬統括機関に対して情報を寄せてもらうことを決定しました。このことは、競馬界の経済を守る最初のステップになります」。
「私たちはこれまでになく異質で深刻な状況下にいます。このパンデミックをできるだけ早く終わらせるために、誰もが貢献することを期待しています。また、競馬界の努力と決断にも期待してもらいたいです。誰も見捨てられることはないでしょう」。
ドイツとジャージー島も競馬開催を取止め
3月16日には欧州各地で同様の緊急会議が行われた。
フランスの決定から2時間も経たずして、ドイツの競馬統括機関であるディレクトリウム(Direktorium)は復活祭の週末までの全ての競馬開催を中止とした。つまり4月18日まで競馬は行われない。
ディレクトリウムは最新の状況を伝えるために毎週ビデオメディア会議を行うことを発表した。また、無観客となるかもしれないが競馬再開の際の状況に合わせて縮小した競馬開催日程を作成するだろうと述べた。
現在のところ欧州で最も新型コロナウイルスの猛威に晒されているベルギーとイタリアでは、3月16日に競馬の全面中止が命じられた。一方、ジャージー島では復活祭の月曜日にレスランズ競馬場で伝統的に行われているシーズン開幕開催の中止を余儀なくされている。
ジャージーレースクラブ(Jersey Race Club)のマーク・ジョンソン(Mark Johnson)会長はこう語った。「ジャージー島の競馬に関わる多くの人々は英国からこの開催のために訪れます。その中には騎手や医療担当職員および開催執務職員が含まれます。島内で最も多くの観客を集めるスポーツとして、私たちは地元住民と来訪者の両方の健康を考える義務があります」。
「ジャージー島の競馬には、英国競馬のような場外馬券発売がないので、無観客で競馬を実施することは財政的に不可能です。まさに、あり得ない選択肢です」。
5月10日に予定されている競馬開催については、ジャージー議会による75年目の解放記念日(5月9日)の関連行事についての幅広い決定を受けて、判断が下されるだろう。
By Scott Burton
[Racing Post 2020年3月16日「Total shutdown: all racing in France cancelled until at least April 15」]