シャンティイのラモルレイ調教場で馬インフルエンザ発生(フランス)[獣医・診療]
フランスギャロ(France Galop)は2月25日夕方、フランス最大の調教拠点シャンティイの一部であるラモルレイ調教場(Lamorlaye)での馬インフルエンザ発生を知らせる声明を出した。
調教師の身元・発生件数・感染馬が最近出走したかどうかについての詳細は明らかにされていない。
フランスのRESPE(馬感染症疫学監視ネットワーク)は、国内の全馬を対象に感染症の広がりを監視する機関である。RESPEは昨年12月、最初の馬インフルエンザの症例を確認したが、それらは乗馬学校やその他の馬術施設に限定されていた。
フランスは欧州諸国からの競走馬の出走を許可し続けてきた。英国ではドナルド・マケイン(Donald McCain)厩舎とサイモン・クリスフォード(Simon Crisford)厩舎で馬インフルエンザが発生し、BHA(英国競馬統轄機構)が競馬開催を6日間中止していたが、フランスはその時期も英国からの出走馬を受け入れていた。
ただその時期に、フランスは欧州諸国からの遠征馬に対して追加的な予防措置を要求していた。
2月20日にノルマンディーの生産牧場にいた1頭の牝馬に馬インフルエンザの症状が確認されており、それが国内で唯一のサラブレッドの感染例だった。
しかし、今や2,000頭以上が調教されているシャンティイ地域で馬インフルエンザの感染が確認された。これは大きな悩みの種となるだろう。
RESPEはラモルレイの症例の詳細をまだ公表していない。一方、フランスギャロの声明には「調教師と獣医師は、感染を抑制するために予防措置を講じている」と記されている。
ラモルレイ調教場の2例目の馬インフルエンザ発生
フランスギャロは2月26日夕方前、最初の馬インフルエンザ発生から24時間も経たずして、2例目の発生を認めた。これにより、現在症状を示している馬は5頭に達した。
フランスギャロの最高獣医責任者であるポール-マリー・ガド(Paul-Marie Gadot)博士はこう語った。「ラモルレイ調教場で2例目の感染を確認しました。この厩舎と昨日感染が確認された厩舎はそれほど近くなく、直線距離で数百メートル離れています。調教師によると、調教中にそれぞれの馬群が接近したわけでもありません。いずれのケースでも馬は咳・鼻汁の症状を呈し、発熱しているという例もありました」。
「陽性反応を示した馬は隔離されています。どちらの調教師も馬を出走させられません」。
「最初に馬インフルエンザ発生が確認された厩舎には12頭が入厩しており、そのうち10頭が陽性反応を示しました。発症馬は2頭で、保菌馬は8頭でした。2つ目の厩舎では、馬インフルエンザの症状を示している馬は3頭で、あまり深刻ではありませんでした」。
パリ地域の競馬開催は、冬のオフシーズンを経て2月26日にオートゥイユ競馬場で再開された。フランスギャロは競馬番組の変更・中止を決定していない。
ガド博士はこう付言した。「私たちは状況を綿密に観察していきます。感染が広範囲にわたるならば、すでに導入されている予防措置を強化します。私たちが12月中旬に馬インフルエンザについて最初に連絡してから、調教師たちはとても慎重に取り組んでいます」。
「シャンティイ地域では2,000頭以上が調教されています。馬インフルエンザの感染がいくつかの厩舎に限られていれば、なんとか抑制できるでしょう」。
By Scott Burton
[Racing Post 2019年2月25日「Equine flu outbreak revealed at Lamorlaye trainer's yard in France」、
2月26日「Second yard in Lamorlaye under lockdown after new equine flu positive」]