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海外競馬ニュース
2019年11月21日  - No.45 - 2

ジャパンカップ、初めて外国調教馬の参戦なしで施行(日本)[開催・運営]


 11月24日のジャパンカップ(G1 東京)が初めて外国調教馬の参戦なしで施行される。

 プリンスオブアラン(Prince of Arran せん6歳)が最後まで出走馬候補に残っていた。しかし、狭い場所に閉じ込められるのを嫌がる馬を発馬機内に収まらせるために使うブランケットの使用をJRAが許可しなかったことを受けて、チャーリー・フェローズ(Charlie Fellowes)調教師は回避を決定した。

 同調教師は11月12日、本誌(ブラッドホース誌)に対してこう語った。「プリンスオブアランは発馬機内で脇腹に金属が触れるのを嫌がり、とても苛立ちます。ブランケットはこの問題を完全に解消します」。

 「日本でブランケットの使用が許可されないとは考えてもみませんでした。出発前に確認して、本当に良かったです。JRAが寸前でのルール変更をしようとしないのは分かります。しかし、ブランケットがどれほど効果的か理解していないと思います」。

 プリンスオブアラン(父シロッコ)は、メルボルンカップ(G1 11月5日)において3位で入線したが、審議を経て2位となった(2位入線のマスターオブリアリティが4位に降着)。このレースの後、フェローズ調教師はプリンスオブアランを日本に遠征させることに乗り気だった。

 同調教師は「代りに、現在香港を目指しています」と述べ、昨年プリンスオブアランが大外枠からの発走で8着となった香港ヴァーズ(G1 12月8日)に言及した。また、第1回サウジカップ(2月29日 リヤド)の前座戦である総賞金250万ドル(約2億7,500万円)の芝競走(芝約3000m)への参戦も検討している。

 今年のジャパンカップは外国調教馬の参戦はないが、日本競馬の強さゆえに、層の厚い出走馬が集まるだろう。また、昨年の優勝馬アーモンドアイがジャパンカップ連覇よりも香港カップ(G1 シャティン)参戦に照準を定めたことにより、激しい競走となるはずである。

 ジャパンカップは1981年の第1回開催から世界中の強豪馬を絶えず引き付けてきた。これまで、米国、アイルランド、英国、フランス、ニュージーランド、豪州、イタリア、ドイツから優勝馬が出ている。

 優勝馬には、ファルブラヴ、ピルサドスキー、シングスピールが含まれる。また、ゴールデンフェザント(チャーリー・ウィッティンガム厩舎)はゲイリー・スティーヴンス騎手を背に、1990年にアーリントンミリオン(芝G1)、1991年にジャパンカップを制した。

 しかし近年は、地元馬が著しく有利な流れとなっている。外国調教馬として直近の優勝馬はルカ・クマーニ調教師が手掛けたアルカセットであり、2005年ジャパンカップでフランキー・デットーリ騎手を背にゴールを先頭で駆け抜けた。

 JRAはジャパンカップをはじめとするビッグレースを盛り上げるために、海外レースの優勝馬を積極的に勧誘している。ジャパンカップの総賞金は5億7,000万円(優勝賞金は3億円)だが、そのボーナスシステムにより、世界中の指定競走24レースのいずれかを同年に制した馬がジャパンカップで優勝した場合には、さらに200万ドル(約2億2,200万円)が提供される。

By Bob Kieckhefer

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2019年11月13日「For First Time, Japan Cup Won't Include Foreign Runner」]


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