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2019年10月24日  - No.41 - 3

マッセルバラ競馬場の運営権、チェスターが獲得(イギリス)[開催・運営]


 マッセルバラ競馬場(スコットランド・イーストロージアン市)の運営権の優先交渉権獲得者がチェスターレースカンパニー(Chester Race Company 以下チェスター)であると発表されたとき、喝采が沸き起こった。

 スコットランドの地でイングランドが勝利を収めることはいつも歓迎されるわけではない。しかし、10月1日(火)午後にこの発表が行われたとき、マッセルバラ競馬場のメンバーの間には喜びが溢れていた。

 このニュースは、アリーナレーシング社(Arena Racing Company: ARC)もジョッキークラブ競馬場社も、203年間の歴史において堂々と自立してきた競馬場の運営権を巡る争いで勝者になれなかったことを示している。

 マッセルバラ競馬場は2年半にわたり不安定な運営体制のために問題を抱え、地方自治体とホースマンの間で生じていた内紛に悩まされていた。このニュースはその苦悩が終わるという希望ももたらした。

 同競馬場の状況は、独立した運営体制見直しを要求するBHA(英国競馬統轄機構)の介入を招くことになり、結果的に、イーストロージアン市議会(East Lothian Council)は第三者に同競馬場を運営させる決定を下すに至った。

 バンガー競馬場も所有するチェスターが優先交渉権を獲得したことが発表されたとき、マッセルバラ競馬関連委員会(Musselburgh Racing Associated Committee)のフィオーナ・オードネル(Fiona O'Donnell)会長はこう語った。「実に前向きで歴史に残る日になりました。マッセルバラはこれから上昇を続けて行き、誰にとっても新たな冒険となるでしょう」。

 「スタッフを含む全員が、"これが前進への道であり、誰もが進みたがっていた方向である"と同意しました。過去は過去です。私たちは今、明るい将来に目を向けています」。

 「私たちは今後もこの競馬場に関心を持ち続けます。競馬場はイーストロージアン市、地域経済、マッセルバラのコミュニティーにとって極めて重要で、私たちは成功のために一端を担いたいと思っています」。

 オードネル会長は、これからもマッセルバラで同じ仕事を続けるスタッフの尽力に敬意を表した。この2年間、これらのスタッフの将来はしばしば脅かされていた。

 同会長は、「マッセルバラは、英国の競馬場の中でも大変優秀なチームを擁しています。彼らはつらくて厳しい時期においても、競馬場のために全力を尽くしてきました。ビル・ファーンズワース(Bill Farnsworth)氏とそのチームに心から感謝します」と付言した。

 チェスターのCEOリチャード・トーマス(Richard Thomas)氏はこう語った。「優先交渉権を獲得できたことに満足しています。より多くの競馬場を運営することはかねてからの願望でした。このことは我々にとってそのスタートにすぎません。イギリス諸島で3競馬場を運営していると言えるのは素晴らしいことです。マッセルバラのチームと緊密に取り組んで引継ぎ作業を首尾よく始めることを楽しみにしています」。

 両者間の交渉が済めば、10年契約の開始日が決まる。イーストロージアン市議会の法務責任者であるカルロ・グリーリ(Carlo Grilli)氏はこう語った。「私たちはこの手続きを大急ぎで進めるつもりはありません。チェスターが運営を開始したときにすべてがうまく行き、スタッフの意見が適切に聞かれることを確実にしたいと思っています。しっかりとした運営が行われることを確かめたいと思っています」。

 同氏はチェスターが優先交渉権を獲得したことについてこうコメントした。「選定プロセスにおいて、彼らは最も経済的に有利な条件を提示しました。それに、マッセルバラのチームが築き上げた状況を維持し、競馬場の魅力を保ち続けることも提案しました」。

 チェスターは今年、競馬放映をスカイスポーツレーシング(Sky Sports Racing)に変更し、場内で独自の賭事チェスターベット(Chester Bet)を提供している。しかし、マッセルバラの場合、テレビ・賭事についての現行の契約を履行しなければ、いかなる変更も行うことができない。

 競馬場メンバーに"将来何が待ち受けているか?"と聞かれ、マッセルバラ競馬場のCEOファーンズワース氏はチェスターが優先交渉権獲得者となったことを歓迎して、こう語った。「この発表は朗報です。彼らは素晴らしい競馬場運営者であり、バンガー競馬場を首尾よく運営し、数々の賞を受賞しています。チェスターが運営するようになってから、バンガー競馬場は著しく改善しました」。

 「マッセルバラのスタッフはこの決定にとても興奮し、前進することに大きな期待を寄せています。私たちは皆、ここにいて素晴らしい仕事を実行していきたいと思っています」。

 アリーナレーシング社(ARC)のスポークスマンはこう語った。「チェスターとイーストロージアン市議会が、マッセルバラ競馬場の運営権に関する取決めを確認する合意に至ったことに祝辞を述べたいと思います」。

 「ARCは運営者選定プロセスに参加するチャンスを頂けたことに感謝しています。チェスターとイーストロージアン市議会が将来のマッセルバラ競馬場の運営で成功を収められることを願っています」。

By David Carr

 (関連記事)海外競馬ニュース 2017年No.31「マッセルバラ競馬場、独立機関によるガバナンス見直しに合意して運営続行(イギリス)

[Racing Post 2019年10月1日「Chester victory has them cheering at Musselburgh with 'bright future' ahead」]


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