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2019年10月10日  - No.39 - 2

オーサムアゲインが種牡馬引退(アメリカ)[生産]


 アデナスプリングス社(Adena Springs)は、オーサムアゲイン(Awesome Again 25歳)が種牡馬を引退したと発表した。同馬は、フランク・ストロナック氏の自家生産馬であり、現役時代にカナダのクラシック競走を制し、種牡馬としては数頭の産駒が最優秀馬に選ばれるほど優秀な成績を収めている。

 オーサムアゲイン(父デピュティミニスター)は、ストロナック氏の生産・競馬事業体にとても大きな影響をもたらした。同馬の産駒は18世代が競走年齢に達しており、総額9,540万ドル(約104億9,400万円)以上の賞金を獲得している。その中には、ブラックタイプ勝馬66頭(5%)、重賞勝馬38頭が含まれる。最優秀馬に選出された産駒は以下の3頭である。

・ 2004年米国年度代表馬&最優秀古馬:ゴーストザッパー(Ghostzapper)

・ 2007年最優秀古牝馬:ジンジャーパンチ(Ginger Punch)

・ トリニダード・トバゴ共和国で最優秀馬に複数回選出:ノミニー(Nominee)

 オーサムアゲインはG1馬14頭を送り出しており、これらの馬は合計でG1・32勝を果たしている。中でも、ゲームオンデュード(Game On Dude)はG1・8勝、重賞14勝を達成している。

 種牡馬として息が長いオーサムアゲインは、今年も米国クラシック競走に出走馬を送り出し、サーウィンストン(Sir Winston)はベルモントS(G1)を制した。

 オーサムアゲインは現役時代、3歳シーズンの6月にハリウッドパーク競馬場で初勝利を挙げた。その次に出走したクイーンズプレートS(G1 ウッドバイン)でも優勝し、カナダのクラシック競走を制した2頭目のストロナック氏の自家生産馬となった。同馬はその後米国に戻り、ジムダンディS(G2)を制し、トラヴァースS(G1)では3着となった。

 4歳シーズンでは、記憶に残る1998年BCクラシック(G1 チャーチルダウンズ)優勝を含む重賞5勝を挙げて無敗を貫いた。オーサムアゲインと鞍上のパット・デイ騎手は、最後の直線の入り口で強豪馬3頭の後ろを走り、敗れてしまうように見えた。その3頭とは、二冠馬シルバーチャーム、G1・2勝馬のコロナドズクエスト(Coronado's Quest)とスウェイン(Swain)である。ところが、直線の半ばで前を走る馬がばらけ、オーサムアゲインは真ん中を突き抜けて¾馬身差の勝利を決めた。

 アデナスプリングス社ケンタッキー牧場の種牡馬マネージャーであるビル・ドゥルーリー(Bill Drury)氏はこう語った。「1998年BCクラシックはG1馬8頭(うち6頭がG1・2勝以上)がおり、それまで見たことのないような強豪揃いでした。彼は今でも特別な馬であり続けており、これからもずっとチャンピオンとして扱われるでしょう。訪問者があればいつでも、彼を最初に連れて行きます。25歳なのに素晴らしい状態のオーサムアゲインに、誰もが目を丸くします」。

 オーサムアゲイン産駒で、ブリーダーズカップ競走を制したのは以下の4頭である。

・ ゴーストザッパー(2004年BCクラシック)

・ ジンジャーパンチ(2007年BCディスタフ)

・ ラウンドポンド(Round Pond 2006年BCディスタフ)

・ ウィルコ(Wilko 2004年BCジュベナイル)

 しかし、オーサムアゲインは優秀な競走馬をコンスタントに送り出すだけではなく、将来の優良種牡馬も送り出している。

 アデナスプリングス社の種牡馬販売マネージャーであるケン・ウィルキンス(Ken Wilkins)氏はこう語った。「これまで私たちはこの牧場で牡系を発展させてきました。ゴーストザッパーをオーサムアゲインの後継種牡馬と見なしており、願わくはシャーマンゴースト(Shaman Ghost 父ゴーストザッパー)が次世代の重要な種牡馬となってほしいと思っています」。

 アデナスプリングス社で場長を務めるドナルド・ウェルズ(Donald Wells)氏はこう語った。「オーサムアゲインは少し年を取りましたが、まだ魅力があります。牧場を訪れてきた人々の前に、先ずはオーサムアゲイン、そしてゴーストザッパー、シャーマンゴーストの順で連れてくると一番良いです。なぜなら、後の2頭の中にオーサムアゲインの特徴が見てとれるからです。オーサムアゲインは本当に重要な種牡馬であり、この牧場の礎となりました」。

 オーサムアゲインはブルードメアサイアー(母父)としても大きな影響を与えている。同馬の牝馬はこれまで、ブラックタイプ勝馬72頭(5%)を送り出しており、その中には重賞馬22頭がおり、8頭が最優秀馬に選出された。オーサムアゲインはブルードメアサイアーとして、昨年のBCクラシック勝馬であり米国最優秀ダート古馬に選ばれたアクセラレイト(Accelerate)を送り出している。

 今年生まれたオーサムアゲイン最後の産駒20頭の中には、パーフェクトスティング[Perfect Sting 2000年BCフィリー&メアターフ(芝G1)優勝馬。2000年米国最優秀芝牝馬]を母とする牝駒がいる。アデナスプリングス社により生産された。

 ウェルズ氏はこう語った。「2頭の偉大なチャンピオン馬の血を引く牝駒を生産できて、私たちは幸運です。彼女は見栄えが良く、素晴らしいトモと肩を持つ典型的なオーサムアゲイン産駒です。競走馬として所有し、そして最終的には繁殖牝馬群に加えることにワクワクしています」。

 もうすぐ始まるキーンランド11月繁殖セールのカタログには、オーサムアゲインの牝馬27頭が掲載されている。また、当歳のオーサムアゲイン産駒4頭も載っている。

 なお、アデナスプリングス社のオンタリオ州の牧場で供用されていたG1馬のミルウォーキーブルー(Milwaukee Brew)とスライゴベイ(Sligo Bay)も種牡馬を引退する。

By Eric Mitchell

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2019年10月2日「Adena Springs' Cornerstone Sire Awesome Again Retired」]


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