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2019年08月15日  - No.31 - 4

南アのデコック調教師が豪州でサテライト厩舎の開業を準備(オーストラリア)[その他]


 南アフリカで最も多くの功績を残しているマイク・デコック(Mike de Kock)調教師(55歳)は最近、激化する厩務員のストライキを理由に、南アフリカの厩舎の将来を疑問視していた。そこで、息子のマシュー(Mathew)氏とともに豪州にサテライト厩舎を設立しようとしている。

 デコック調教師は、"差し当たりは"南アの厩舎を主要拠点とし続け、豪州のサテライト厩舎に南アの馬を送り込むための基盤として用いるだろうと述べた。

 デコック調教師が7月にニューサウスウェールズ州とヴィクトリア州の調教場を訪問したことで、この数週間、"豪州で厩舎を開業するのではないか?"という憶測が錯綜していた。同調教師は2020年、クランボーン調教複合施設(Cranbourne Training Complex)に新しい厩舎を開業する予定である。

 クランボーンターフクラブ(Cranbourne Turf Club)のCEOニール・ベインブリッジ(Neil Bainbridge)氏は、こう語った。「弊クラブはデコック調教師に対し、クランボーン調教複合施設のコースの50馬房を利用するように提案し、同調教師はそれを受け入れる予定であることを正式に発表します」。

 「デコック調教師ほどのトレーナーがクランボーンで厩舎を構えるということは、ヴィクトリア州の競馬界にお墨付きを与えてもらえるわけですので、競馬産業全体にとって素晴らしいニュースです」。

 「レーシングヴィクトリア(Racing Victoria)のブライアン・クルーガー(Brian Kruger)会長たちは賞金を引き上げたことで称賛されるでしょう。ヴィクトリア州の競馬界は、馬を出走させる拠点として大人気です」。

 デコック調教師は昨年、厩務員によるストライキを理由に、南アの管理馬を40%減少させるかもしれないと述べていた。

 同調教師はこう語った。「私たちは輸出手続きを開始するための早期対応策としてこの取組みを行っており、その輸出手続きはもうすぐ開始されると確信しています。私たちは逆方向のこと、すなわち豪州からの馬輸入に重点を置いてきました」。

 「もうすぐ、私たちはおよそ『1豪ドル=10ランド』の為替レートで南アの馬を輸出するでしょう。それは絶好のチャンスで、ビジネスとしてうまく成り立ちます。また、これまでのように豪州の市場をサポートし続けるでしょう」。

 デコック調教師は、豪州競馬界とクランボーンの関係者が設置に1年掛かるとされるサテライト厩舎を受け入れるために懸命に取り組んでくれたと述べ、こう語った。

 「彼らは信じられないほど協力的です。私たちのために新しい厩舎を建設しています。それにより他にも多くの恩恵が得られます。クランボーンの調教施設はトレッドミルや調教コースにいたるまで全てが卓越しています」。

 「私たちは何年も前から豪州を訪れています。マシューは豪州競馬産業で就労経験を積んでサテライト厩舎を運営する準備をするために、もうすぐ豪州に発ちます。豪州競馬産業は極めて専門的なやり方で運営されており、彼らには優れた洞察力と公正性が備わっています」。

 デコック調教師は1987年12月に調教活動をスタートさせ、1989年からG1・122勝を挙げている。そのキャリアを一転させたのは、2003年ドバイワールドカップナイトである。イピトンベ(Ipi Tombe)でドバイデューティフリー、ヴィクトリームーン(Victory Moon)でUAEダービーを制した。

 同調教師は香港やシンガポールでもG1を制しているが、直近で豪州で管理馬を出走させたのは2005年である。グレイズイン(Greys Inn)がコックスプレート(G1)で10着、メルボルンカップ(G1)で17着となった[この2競走を制したのはマカイビーディーヴァ(Makybe Diva)]。

 ベインブリッジ氏は、デコック調教師の管理馬が入厩する50馬房については一から建設することを認めた。一方、コーフィールド競馬場からの移動を検討している調教師に対して"まだ十分なスペースがある"と安心させている(訳注:コーフィールド競馬場の調教施設は賃貸契約の関係上、2023年末をもって使用できなくなる見込み)。

 同氏はこう語った。「これらのコーフィールドの調教師が、困難な経験をしていることは認識しています。厩舎を移動させるだけではなく、家族も引っ越ししなければならないのでさまざまな問題が生じます」。

 「私たちはここで、クランボーンに移動したいと考えるコーフィールドの調教師たちを支援しています。彼らを受け入れることは可能であり、自信を持っています」。

 クランボーン調教複合施設は、ヴィクトリア州で唯一の調教専門施設である。1990年8月に開設され、現在は約750頭~800頭が在厩している。クランボーン競馬場のほか、調教専用の芝コースが4つある。

By Carl Di Iorio / racing.com

[Racing Post 2019年8月5日「South African champion trainer Mike de Kock to start satellite yard in Australia」

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