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海外競馬ニュース
2019年06月13日  - No.22 - 4

内戦激化のためにリビアの種牡馬と競走馬が危機に直面(リビア)[その他]


 内戦がリビアの競馬産業を脅かしており、国内のサラブレッドが危機に直面している。

 すでに1頭の命が奪われており、リビア競馬統轄機構(Libyan Horseracing Authority)のアマド・アシャーブ(Amad Ashaab)博士は、自らが所有するアルシャーブスタッド(Al Shaab Stud)で繋養されている馬について深刻な懸念を表明した。

 リビア東部を支配する民兵組織「リビア国民軍(LNA)」の司令官であるハリファ・ハフタル将軍はこの2ヵ月間にわたり、西部の「国民統一政府」が支配する首都トリポリを武装制圧しようとしてきた。

 今週前半(6月上旬)にアルシャーブスタッドからわずか3kmしか離れていないところに戦車が進攻してきたと伝えられている。同スタッドでは、リビアのリーディングサイアーのブルートフォース(Brut Force)やエーピーインディの半弟イーヴスドロッパー(Eavesdropper)を含む8頭の種牡馬が供用されている。

 爆撃によりすでに1頭のサラブレッドの命が奪われ、他にも負傷した馬がいると伝えられている。アシャーブ博士はEメールでこう報告している。「残念ながら、リビアで最も生産が盛んなエリアの1つで内戦が激化しており、馬は住むところをなくして死んでいます」。

 「20日ほど前から攻撃が集中しているために、牧場の様子を見に行くことができません。リビア国民軍に所属するタルフーナ基地の蜂起部隊に続き、戦車が牧場から3 kmのところにまで進攻していると報告されています」。

 「馬は多頭数いるために避難させられず、どの地域も安全ではありません。アルシャーブスタッドの種牡馬は国の宝であり、救出されなければなりません」。

 リビアにおいてサラブレッド競馬はアラブ競馬よりも人気を博しており、血統登録も実施されている。またリビアは、欧州・地中海地域競馬連盟(European and Mediterranean Horseracing Federation: EMHF)のメンバー国である。

 リビアの生産者は近年ニューマーケットのタタソールズ社のセリに頻繁に訪れており、リビア政府は経済復興の過程でサラブレッド産業を強力に支援してきた。

By David Carr

[Racing Post 2019年6月9日「Stallions and racehorses under threat as war intensifies in Libya」]

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