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2019年05月16日  - No.18 - 1

ペルシアンキング、不良馬場の仏2000ギニーを快勝(フランス)[その他]


 ペルシアンキング(Persian King)は5月12日、仏2000ギニー(G1 芝1600m)で優勝し、ゴドルフィンにとって世界G1・299勝目を挙げた。この35分後にキャッスルレディ(Castle Lady)が仏1000ギニー(G1)を制して世界G1・300勝目を達成したので、この日はモハメド殿下のチームにとって記念すべき日となった。なお、ペルシアンキングは、ゴドルフィンとウィルデンシュタイン家により共同で所有されている。

 一方、アンドレ・ファーブル調教師にとっては仏2000ギニー7勝目となった。

 ペルシアンキングはピエール-シャルル・ブドー騎手を背に、ロンシャンの不良馬場でシャマン(Shaman)を引き離して快勝した。ロジャー・ヴェリアン(Roger Varian)調教師のサンドナート(San Donato)は外側で先行していたが3着までとなった。

 ペルシアンキングは、ニューマーケット競馬場でマグナグレシア(Magna Grecia)を負かしたことで、欧州で最も将来を有望視される馬の1頭として冬を過ごし、そのパフォーマンスはゴドルフィンがこのキングマン産駒の所有権の半分を購買するきっかけとなった。

 ファーブル調教師によれば、ロイヤルアスコット開催のセントジェームズパレスS(G1 6月18日 芝約1600m)でマグナグレシアと再び対戦する可能性は残されている。しかしペルシアンキングの関係者にとっては、シャンティイ競馬場の仏ダービー(G1 6月2日 芝2100m)でより長い距離のレースに挑戦することのほうが好ましいように思われる。

 ファーブル調教師はこう語った。「ペルシアンキングは良馬場のほうが得意です。仏ダービーは随分前から考えてきたプランですので、検討するつもりです。ロイヤルアスコット開催も選択肢の1つですが、モハメド殿下やディアヌ・ウィルデンシュタイン氏と話し合って決定するでしょう。仏ダービーを目標とするのが妥当であるように思います」。

 ディアヌ・ウィルデンシュタイン氏は、これ以上ゾクゾクするような結果はないだろうと述べた。一方、モハメド殿下のもとで長年レーシングマネージャーを務めているアンソニー・ストラウド(Anthony Stroud)氏は、ペルシアンキングがこのようなスタミナを奪う馬場で勝利したことは、仏ダービー(芝2100m)を目指すのにあたり、良い前兆であると考える。

 ストラウド氏はこう語った。「理想的な馬場状態ではありませんでしたが、ペルシアンキングは進めば進むほど勢いがついていったようでしたので、仏ダービーは理想的なレースになるでしょう。私はいつも、彼にとって仏ダービーが妥当だと考えてきました。ファーブル調教師も同じ意見です」。

 ペルシアンキングが父キングマン(Kingman)から素晴しい素質を引き継いでいることははっきりしている。しかしとりわけこのレースにおいては、父がドーヴィルのとても深い馬場で戦ったときに見せた気概を再現した。

 ストラウド氏はこう続けた。「(キングマンを管理した)ジョン・ゴスデン調教師はレース前日に私に電話してきて、キングマンがドーヴィルでジャックルマロワ賞(G1)を制した時は不良馬場だったのだから、馬場状態を気にする必要はないと言いました」。

 キングマンはドーヴィルでザブザブと音を立てて進み、2014年ジャックルマロワ賞を制した。

 一方、シャマンはすでに1800mのG3競走で優勝を果たしており、仏ダービーの候補馬であると見られている。しかしカルロス・ラフォン-パリアス(Carlos Laffon-Parias)調教師はセントジェームズパレスSにも惹かれていることを認めた。

 シーズン初戦となった仏2000ギニーで健闘したサンドナートの次走も、セントジェームズパレスSとなる可能性がある。

 ヴェリアン調教師はこう語った。「サンドナートは能力のある馬で、素晴しいレースをすると思っていましたが、競走距離については確信が持てませんでした。しかし、道中落ち着いて調子を上げて行きました。この結果に満足しなければならないでしょう」。

 「3月は調子を崩し、シーズン初めに予定していた2レースに出走できませんでした。今後の彼の計画はエキサイティングなものです。なぜなら、ロイヤルアスコット開催では彼に適した2つのレース、すなわちジャージーS(G3 芝約1400m)とセントジェームズパレスSがあるからです。またこの馬にはスピードもありますので、ジャンプラ賞(G1 芝1400m)も選択肢の1つです。しかし、おそらくマイルにとどまるでしょう」。

 ライアン・ムーア騎手は、ウィリアム・ビュイック騎手からの乗り替わりで騎乗したヴァンベートーヴェン(Van Beethoven)で6着となった。5着はデュークオブハザード(Duke Of Hazzard)だった。

ファーブル調教師の仏2000ギニー優勝

1984年 シベリアンエクスプレス(Siberian Express)

1987年 ソヴィエトスター(Soviet Star)

2001年 ヴァオリミクス(Vahorimix)

2003年 クロドヴィル(Clodovil)

2010年 ロペデヴェガ(Lope De Vega)

2015年 メイクビリーヴ(Make Believe)

2019年 ペルシアンキング

By Scott Burton

[Racing Post 2019年5月12日「Impressive Persian King rules for Fabre in French 2,000 Guineas」]


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