約2万円で購買した馬がレースで優勝（オーストラリア）［その他］

　昨今、250豪ドル（約2万円）で贅沢をするのは難しい。一足の靴を新調するか、おそらく一家の1週間分の食料品を買うくらいだろう。運が良ければ、1週間の家賃を払えるかもしれない。

　しかし、ヴィクトリア州タトゥラを拠点とする観察眼の鋭いニール・ガーヴァン（Neil Girvan）調教師は、このわずかな金額で勝馬を見つけ出すことができた。250豪ドルで購買した現在6歳のダッシュトゥザバー（Dash To The Bar）が1月5日、ワンガラッタ競馬場で優勝し、未勝利を脱したのだ。

　ガーヴァン調教師は2年前、埋もれていたダッシュトゥザバー（父ダッシュフォーキャッシュ）を選び、わずか250豪ドル（約2万円）を支払って、ぬかるんだ囲い馬場から連れ出した。

　同調教師は、この馴致されていない牡馬が数頭の勝馬の半弟であることをほとんど知らなかった。ダッシュトゥザバーの半兄姉には、現役時代にそれぞれ10万豪ドル（約800万円）以上の賞金を獲得しているテキーラクイーン（Tequila Queen）、ブリミング（Brimming）、マサイジャスティス（Maasai Justice）がいる。

　ガーヴァン調教師はダッシュトゥザバーの才能が開花するのを辛抱強く待たなければならなかった。しかし1月5日に、2着のブレージングアッシュ（Blazing Ash）を3/4馬身差で退ける圧倒的な勝利を挙げてからは、これからもさらに多くの勝利を挙げることを期待している。これまでの10戦で獲得賞金額は2万5,000豪ドル（約200万円）を超えた。

ガーヴィン調教師はこう語った。「私たちが250豪ドルで購買したダッシュトゥザバーは、馴致されていない4歳の牡馬で、個体識別の烙印すら押されていませんでした。正直なところ、初めて見たとき、"この馬を保護するのは王立動物虐待防止協会（RSPCA）の仕事ではないか？"と思いました」。

　「それでも、若い良質馬を買うほどのお金はなかったので、彼を管理してみようと考えました。ひどい外見で、尻尾の泥を拭うのに2週間掛かりました。5～6回ソエ（管骨骨膜炎）を発症しましたが、何かをやり遂げてくれる気配を感じていたので、辛抱強く調教しました」。

　「オルベリー競馬場で出走させましたが、2回ほど惜しいところで敗れました。勝つべき馬だと考えていたので、1月5日のレースではとても興奮しました。素晴らしいレースぶりでしたので、次にどのレースで使うかを考えなければなりませんね」。

　偶然にも同日、ヴィクトリア州ボネオのレベッカ・ウェイマス（Rebecca Waymouth）調教師は、最近110豪ドル（約8,800円）で購買したサリーセルズシェルズ（Sally Sells Shells 父Per Incanto）でウーラマイ競馬場のピクニックレース（草競馬）を制した。

　ウェイマス調教師は12月、この牝駒がバルナリング競馬場で不名誉な4着となった後に購買した。同調教師のもとに移籍してから2回出走しているが、すでに2,500豪ドル（約20万円）以上の賞金を獲得している。

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250豪ドル（約2万円）で何が買えるか？

・マイケルコースの長財布

・マークトッドの水勒ハミ

・カーズシルバーのカフスボタン

・レイバンのサングラス

・バーバリーのスマホケース

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By James Tzaferis/racing.com

（1豪ドル＝約80円）

　
［Racing Post 2019年1月6日「What can you buy for £140 these days? How about a winning racehorse」］