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2018年12月27日  - No.50 - 2

フランスギャロ、収入減少も2019年は賞金レベルを維持(フランス)[開催・運営]


 英国のアリーナレーシング社(Arena Racing Company 競馬場オーナーグループ)は、2019年の賞金提供額を300万ポンド(約42,000万円)削減することで非難を浴びた。しかしその翌日、フランスギャロ(France Galop)は、PMU(フランス場外馬券発売公社)からの収入が激減するにも関わらず、フランス競馬の賞金レベルを維持する予算を発表した。

 PMU2018年の賭事売上げは、前年と比較して2.6%減少すると予測されている。また、速歩競走の統轄機関は賞金を2,600万ユーロ(約325,000万円)削減すると前の週に発表したばかりである。

 しかし、フランスギャロのエドゥアール・ド・ロトシルト(Edouard de Rothschild)会長は、2019年予算の発表前の1217日に開催された取締役会において、戦略的準備金からの支出のおかげで賞金削減の措置を取らずに済んだと述べた。

 PMUは今年、平地競走と速歩競走の統轄機関に合計78,000万ユーロ(約975億円)を還元する予定。これは2017年の79,300万ユーロ(約9912,500万円)を下回る。

 しかしPMUの予測では、2019年には74,500万ユーロ(約9312,500万円)の利益しか挙げられないという危機的状態が訪れると見られている。マーケティング・広告・IT戦略に3,000万ユーロ(約375,000万円)を支出することが、この予測の大きな要因である。シリル・リネット(Cyril Lynette)新会長が計画したこの一度限りの支出は、PMUを再生させ、失った顧客を取り戻すためのものである。

 ロトシルト会長はこう語った。「PMUを再生させるための例外的な支出のために、ホースマンに重い負担を掛けるという選択はしませんでした。発表される予算は、2018年の賞金レベルを維持するでしょう」。

 同会長は、フランスギャロには3,500万ユーロ(約437,500万円)の準備金があるが、PMUに還元する資金を増額するよう交渉していたと述べた。しかし、2020年の売上げ回復が見込まれない場合はリネット会長の計画の代案を出すようにフランスギャロがPMUに求めたことも強調した。

 ロトシルト会長はこう語った。「私はPMUの計画がうまくいくことを信じています。しかし、信用することは盲目であることではありません。それゆえ、私自身も取締役会の数人のメンバーも、この計画が予測どおりに進まなかった場合の代案の詳細を強く要求しました」。

 同会長は、メゾンラフィット競馬場を閉鎖して調教センターの近代化に投資するという物議を醸している計画についても話した。そして、2019年末の競馬開催終了を"痛みを伴う一歩"と表現したが、それでも "取れる中で一番の選択肢"であると述べた。

 そして、「年間500万ユーロ(約62,500万円)を節約できるこの計画を支持します。調教センターは明確な決定が取られなかったことで経済的価値を落としてきました。この計画は、その解決策ともなります」と付言した。

By Scott Burton

1ポンド=約140円、1ユーロ=約125円)


Racing Post 20181218France Galop maintains prize-money levels in 2019 despite declining receipts」]


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