2020年英ダービーに登録した1歳馬は356頭(イギリス)[生産]
ガリレオとケープクロスは、近年の英ダービー優勝馬の血統において、支配的な影響力を誇っている。2020年英ダービーの第1回登録馬が12月12日に発表されたが、この中にも2頭の血を受け継ぐ1歳馬が多く見られる。
ガリレオは3頭のダービー馬を送り出している。それは、ニューアプローチ、ルーラーオブザワールド、オーストラリアである。さらに、ニューアプローチは今年の優勝馬マサーを送り出している。
一方、ダーレーのケープクロス(2017年死亡)は2頭のダービー馬を送り出している。それは、シーザスターズとゴールデンホーンである。さらに、シーザスターズは2016年ダービー馬ハーザンドを送り出しており、ケープクロスはオーストラリアとマサーの母父でもある。
クールモアの驚異的な種牡馬ガリレオは、その産駒が56頭登録されており、数の上で他の種牡馬をリードしている。
その中には、以下のG1優勝牝馬を母とする産駒がいる。
アコマ(Acoma)・アゲイン(Again)・エアウェーブ(Airwave)・アトランティックジュエル(Atlantic Jewel)、ディヴァインプロポーションズ(Divine Proportions)、ギルトエッジガール(Gilt Edge Girl)、ホームカミングクイーン(Homecoming Queen)、ムーンストーン(Moonstone)、シャープリサ(Sharp Lisa)、シンプリーパーフェクト(Simply Perfect)、ティギーウィギー(Tiggy Wiggy)。
また、以下のG1馬を全兄姉あるいは半兄姉にもつ産駒が含まれる。
キャンフォードクリフス(Canford Cliffs)・チャーチル(Churchill)・デインドリーム(Danedream)・グレンイーグルス(Gleneagles)・ハイランドリール(Highland Reel)・ミスティフォーミー(Misty For Me)・プールモワ(Pour Moi)・セブンスヘブン(Seventh Heaven)・ティギーウィギー・ウォズ(Was)。
これらの1歳馬はすべて、クールモア所有/エイダン・オブライエン厩舎所属である。このコンビは2000年以降にダービー7勝を果たしており、今回の第1回登録では合計75頭を登録している。
注目に値するガリレオ1歳産駒には他に、ジャパン(Japan)・シークレットジェスチャー(Secret Gesture)・サーアイザックニュートン(Sir Isaac Newton)の全弟がいる。この牡駒はタタソールズ10月1歳セール・ブック1において、クールモアに340万ギニー(約4億9,980万円)で購買されている。また、フォーエバートゥギャザー(Forever Together)の全妹とアリススプリングス(Alice Springs)の全妹も登録されており、これらの牝駒はゴフス社オービーセールでフェニックスサラブレッズ社(Phoenix Thoroughbreds)に、それぞれ320万ユーロ(約4億1,600万円)と200万ユーロ(約2億6,000万円)で購買されている。
またダービーで楽しみな血統を持つ登録馬には、ゴールデンホーンの半弟(父ガリレオ)がいる。この1歳牡駒は、オバイド殿下のエージェントにより45万ギニー(約6,615万円)で購買され、ケヴィン・ライアン(Kevin Ryan)厩舎に所属している。
ガリレオ産駒のオーストラリアとフランケルは、父に次いでそれぞれ24頭と22頭の産駒が2020年ダービーに登録されている。
キルダンガンスタッド(Kildangan Stud)で繋養されていたケープクロスは、2016年に種牡馬を引退し1歳産駒がいない。しかし、ケープクロス産駒であるゴールデンホーンとシーザスターズがそれぞれ18頭の登録馬を送り出している。
その次に多い16頭の産駒が登録されているのは、2012年ダービー馬のキャメロット(父モンジュー)である。その後に、ドバウィ、グレンイーグルス(父ガリレオ)の13頭が続く。
ダービーに登録されたドバウィ産駒の中には、カタールレーシングが所有するトゥーダーンホット(Too Darn Hot)・ラーティダー(Lah Ti Dar)の全弟が含まれている。この牡駒は350万ギニー(約5億1,450万円)で購買され今年の世界最高価格1歳馬となった。まだ馬名は決まっておらず、ジョン・ゴスデン調教師に管理される予定。
より国際的に見れば、米国三冠馬アメリカンファラオの以下の初年度産駒4頭が登録されている。
・G1優勝牝馬チャチャメイディー(Chachamaidee)の半弟
・クールモア所有のアップ(Up)の仔(牡)
・カタールレーシング所有のジョバンニボルディーニ(Giovanni Boldini)の半弟
・アガ・カーン殿下所有/ミケル・デルザングル厩舎所属のリダシナ(Ridasiyna)の仔(牡)
アメリカンファラオの父パイオニアオブザナイルの産駒も1頭登録されている。それは、ミシカルブライド(Mythical Bride)を母とする牡駒であり、キーンランド9月1歳セールにおいてクールモアにより57万5,000ドル(約6,613万円)で購買され、オブライエン厩舎に所属している。
日本産馬では、アサクサキングス(父ホワイトマズル)の産駒が1頭登録されている。それは、ブルースターズファームが所有するコスモプロデッツァ(母シプカクラッチュ)である。また、ドバウィハイツやキスドバイエンジェルズ(Kissed By Angels マインディングの全姉)を母とするディープインパクトの牡駒や、ゴールドシップの牝駒(コスモジェミラ)やロードカナロアの牡駒(母リップルズメイド)も登録されている。
現在、2020年ダービー登録馬は356頭。昨年同時期の339頭よりも増加している。
英ダービーの第1回登録は1991年に始まった。1993年に改訂され、1頭あたりの登録料は現在560ポンド(約7万8,400円)。2020年4月の第2回登録の登録料は9,000ポンド(約126万円)である。また、2020年6月1日の追加登録には8万5,000ポンド(約1,190万円)の費用が掛かる。
By Martin Stevens
(1ポンド=約140円、1ユーロ=約130円、1ドル=約115円)
[Racing Post 2018年12月12日「Galileo and Cape Cross set to have a big say at Epsom once again in 2020」]