画期的なソーシャル賭事基盤"ベットコネクト"が間もなく運用開始（イギリス）［開催・運営］

　9月中旬に新しい賭事基盤"ベットコネクト（Betconnect）"の試験的運用が始まる。これは、的中率の高いプロの馬券師がブックメーカーで馬券購入を拒否・制限されるという問題を解決することを目指している。

　ベットコネクトのベータ版の試験的運用は9月17日に始まった。このアプリは、SNS上で賭事を行える"ソーシャル賭事基盤（social betting platform）"である。プロの馬券師はピアツーピア（接続されたコンピューター同士が相互にコミュニケーションするネットワーク形態）を通じて、アプリの利用者に対して賭けを申し込むことができる。その賭けを受け入れた者は希望すれば、その賭事取引で利益を出すために必要な情報を得ることができる。

　ピアツーピアで顧客同士が賭事取引を行う点は、利用者がオッズを設定する"ベッティング・エクスチェンジ"によく似ている。しかしベットコネクトには、「コピー（copy）」、「フォロー（follow）」、「レイ（lay 提案された賭事に対抗する賭事を行うこと）」という3つの選択肢がある。最初の2つを選択すれば、利用者はプロの馬券師が提案したのと同じかそれより高いオッズを提案するブックメーカーで賭事を行うことができる。

　ベットコネクトの創設者の1人であるマーク・ウィーヴァー（Mark Weaver）氏は、次のように語った。「利用者はプロの馬券師のリクエストを受け入れると、『コピー』、『フォロー』、『レイ』のどれを選ぶか、それとも最終的に拒否するかの決定を下すのに15分の時間が与えられます」。

　「利用者は、プロの馬券師のリクエストを受け入れてそれに対抗する賭事を行うこと（『レイ』）を強要されるわけではありません。他の人気あるソーシャル基盤と同様に、ベットコネクト利用者はその参加と関与の度合に基づいて格付けされ、順位づけされます。プロの馬券師のリクエストを受け入れて賭事の詳細が開示されたのに、結局そのリクエストを拒否するようなことがあれば、その利用者の格付けと順位にはマイナスの影響があるでしょう。これは、配車サイトのウーバー（Uber）で依頼後に指定場所に現れなかったり（ノーショー）、オークションサイトのイーベイ（eBay）で決済を完了させなかったときと同じです」。

　ベットコネクトは、このアプリを開発するにあたり、優れたトレーダーの売買と同じように投資することができる金融取引アプリ"イートロ（eToro）"に影響を受けたと述べた。プロの馬券師の中には、彼らと取引したがらないブックメーカーで馬券を購入するために仲立ちを利用する者もいる。ベットコネクトのシステムはそれに似たようなものだと思う向きもあるだろう。

　ベットコネクトの創設者たちは、利用者が賭事を行いやすい環境を整えるために、"賭事を強要することのないモデル"と"利用者が自ら好むオッズで賭事ができること"をポイントとしている。

　創設者の1人であるダン・シュライバー（Dan Schreiber）氏はこう語った。「賭事産業から発想を得たわけではなく、イートロなどがこのコンセプトが実現可能であることを示していました。また、人々が金融取引においてエキスパートに導いて欲しがっていることを証明しました。私たちは同じコンセプトを賭事に当てはめようとしています。ベットコネクトに登録すればプロ馬券師一覧を閲覧でき、その中の誰かの賭事に興味を持てばSNS上でつながることができます」。

　"ベットコネクト"という名前にはSNSの要素が暗に示されており、このアプリは"プロの馬券師"と"楽しみで馬券を購入する人々"をつなぐモデルであると考えられている。プロの馬券師は、その損益統計を公表することを通じて手腕を問われる。利用者はそれを見て、他のSNS（フェイスブックやツイッターなど）と同様に、どの馬券師をフォローするかを自由に選べる。

　ウィーヴァー氏はこう付言した。「ベータ版の試験運用においては、現在のところ、プロの馬券師と利用者の両方から極めて良好な反応があります。利用者たちは、これが初めてのSNS上の賭事基盤なので、ベットコネクトのおかげで賭事が一層楽しくなったと言ってくれています。一方プロの馬券師は、たくさん的中させるためにアカウントを制限されたり締め出しを食らうことを恐れずに、賭事を行うことができます」。

　ベットコネクトの正式な運用開始は11月に予定されている。

By Keith Melrose

［Racing Post 2018年9月19日「New social betting platform Betconnect aims to get around bookmaker restrictions」］