2017年の年度代表馬にガンランナー選出(アメリカ)[その他]
ペガサスワールドカップ(G1)1番人気馬ガンランナーは、数日前にワールドベストレースホースに選ばれる栄誉を逃したが、1月25日には堂々と米国年度代表馬に選ばれた。
米国競馬界で最も名誉あるエクリプス賞授賞式(第47回)は、ガルフストリームパーク競馬場で開催され、英国人司会者ニック・ラック(Nick Luck)氏が進行役を務めた。1月27日にはこの競馬場でペガサスワールドカップが施行され、ガンランナーは1番人気で出走するだろう。
ガンランナーは2017年、6戦5勝を果たした。唯一の敗戦は、アロゲートの後塵を拝したドバイワールドカップ(G1)である。しかしガンランナーは、BCクラシック(G1)でアロゲートを5着に沈めて優勝しリベンジを果たし、エクリプス賞では248票対2票の圧倒的大差でアロゲートを下した。
スティーヴ・アスムッセン(Steve Asmussen)調教師が手掛けた馬が米国年度代表馬に選ばれるのは、2007年と2008年のカーリン(Curlin)、2009年のレイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)に続いて4回目である。
アスムッセン調教師はこう語った。「ガンランナーは挑戦を受けて戦うたびに成長し、数々の勝利を達成してきました。精神的にも肉体的にも特別な馬で、私たちは素晴らしい走りを目の当たりにしてきました。ただ彼に巡り会い、調教して出走させる特権を与えられただけで、夢がかなったようなものです」。
2017年にG1・4勝を果たしたガンランナーは最優秀ダート牡馬にも選出され、ここでもワールドベストレースホースとなったアロゲートを破った。
エクリプス賞は、全米競馬記者協会(National Turf Writers And Broadcasters Association)、NTRA(全米サラブレッド競馬協会)、デイリーレーシングフォーム紙のメンバーの投票により、北米競馬界の各部門の最優秀馬を決定する。
アブドゥラ殿下のジャドモントファームが2年連続で最優秀馬主に選ばれた(通算4回目)。これは欧州が関係する唯一の受賞である。同ファームはこれまで最優秀生産者にも5回選出されているが、今回その賞はアロゲートと最優秀3歳牝馬アベルタスマン(Abel Tasman)を生産したクリアスカイファーム(Clearsky Farms)に贈られた。
BCフィリー&メアターフ(G1)優勝馬ウヘイダ(Wuheida)とBCターフ(G1)優勝馬タリスマニック(Talismanic)はそれぞれの芝部門の最終選考まで残った。しかしこれらの賞は最終的に、米国馬のレディイーライ(Lady Eli)とBCマイル(G1)優勝馬ワールドアプルーヴァル(World Approval)に贈られた。
チャド・ブラウン(Chad Brown)調教師が2年連続で最優秀調教師に選出されたことで、新しい勢力の台頭が確実なものになった。ブラウン調教師は2017年に13頭のG1馬を管理した。グッドマジック(Good Magic)がBCジュヴェナイル、ラッシングフォール(Rushing Fall)がBCジュヴェナイルフィリーズターフ、クラウドコンピューティング(Cloud Computing)がプリークネスSを制した。
最優秀騎手にはホセ・オーティス(Jose Ortiz)騎手が初めて選ばれた。ブラウン調教師とオーティス騎手はいずれも、賞金獲得額でも首位となった。
また、悲劇的な災害に対応したサンルイスレイダウンズ調教センターとプエルトリコのカマレロ競馬場の代表者たちに特別賞が贈られた。
2017年エクリプス賞受賞馬/受賞者
年度代表馬:ガンランナー
最優秀ダート牡馬:ガンランナー
最優秀ダート牝馬:フォーエバーアンブライドルド(Forever Unbridled)
最優秀3歳牡馬:ウエストコースト(West Coast)
最優秀3歳牝馬:アベルタスマン
最優秀2歳牡馬:グッドマジック
最優秀2歳牝馬:カレドニアロード(Caledonia Road)
最優秀芝牡馬:ワールドアプルーヴァル
最優秀芝牝馬:レディイーライ
最優秀短距離牡馬:ロイエッチ(Roy H)
最優秀短距離牝馬:ユニークベラ(Unique Bella)
最優秀障害馬:スコーピアンサー(Scorpiancer)
最優秀馬主:ジャドモントファーム
最優秀調教師:チャド・ブラウン氏
最優秀騎手:ホセ・オーティス氏
最優秀見習騎手:エヴィン・ロマン氏(Evin Roman)
最優秀生産者:クリアスカイファーム
By Nicholas Godfrey
[Racing Post 2018年1月26日「Gun Runner slams Arrogate for America's Horse of the Year crown」]