2018年ブリーダーズカップ、引退競走馬プロジェクトと提携(アメリカ) [開催・運営]
10月2日、引退競走馬プロジェクト(Retired Racehorse Project:RRP)は2018年ブリーダーズカップと提携することを発表した。引退競走馬の展示イベントと米国サラブレッド競馬界最大の祭典はタッグを組むことになる。
RRPは10月4日(木)~7日(日)、ケンタッキーホースパーク(Kentucky Horse Park ケンタッキー州レキシントン)において、サラブレッドメイクオーバー&ナショナルシンポジウム(Thoroughbred Makeover and National Symposium)を運営する。米国サラブレッド・チャリティー(Thoroughbred Charities of America)が主催するこのイベントでは、最近現役を引退した約500頭のサラブレッドが競馬ではない10競技で競い合う。賞金総額は10万ドル(約1,150万円)。観客が投票して10競技の優勝馬の中から1頭のチャンピオンを選び、その馬には"アメリカで最も求められているサラブレッド(America's Most Wanted Thoroughbred)"の称号が贈られる。
ブリーダーズカップは11月2日(金)・3日(土)、チャーチルダウンズ競馬場(ケンタッキー州ルイビル)で開催される。世界最高クラスの馬が賞金総額3,000万ドル(約34億5,000万円)を巡って競い合うこの祭典は、BCクラシック(G1)で締めくくられる。このレースの勝馬はしばしば米国年度代表馬に選ばれる。
サラブレッドメイクオーバーで"アメリカで最も求められているサラブレッド"とコンビを組んだ騎手は、賞金や景品を獲得するだけではない。ブリーダーズカップのチケット2枚を手にして、11月2日のレースの合間にウィナーズサークルで表彰される。RRPも競馬以外でサラブレッドに親しむ人々に向けて、ブリーダーズカップをプロモートするだろう。
RRPの専務理事であるジェン・ロイツ(Jen Roytz)氏はこう語った。「今年のサラブレッドメイクオーバーの勝者を広く知ってもらうために、ブリーダーズカップと提携することを光栄に思います。ブリーダーズカップは長年、世界最強馬を決定してきました。サラブレッドメイクオーバーは近年、米国最高の引退競走馬を選定することにおいて、同様の評価を得ています。ブリーダーズカップ協会にとっては、引退競走馬の栄誉を称えることによって、彼らが競走馬を生涯のどの段階においても尊重し高く評価していることの証となります」。
ブリーダーズカップ協会の理事長兼CEOのクレイグ・フレイヴェル(Craig Fravel)氏はこう語った。「今年のブリーダーズカップにおいて、RRPと一緒に"アメリカで最も求められるサラブレッド"の騎手を称えることを光栄に思います。RRPはこの数年間で、引退競走馬の取引を拡大しただけでなく、これらの馬の価値と需要を高めることに成功しています」。
サラブレッドメイクオーバーは10競技を実施するほか、サラブレッドの第2のキャリアに重点を置いた教育セミナーやパネルディスカッションを開催する。また、引退競走馬の再教育を専門とするトレーナーたちが引退競走馬をどのように選んで再スタートさせるかを解説しながら行うデモンストレーションの"メイクオーバーマスタークラス(Makeover Master Class)"も実施する。さらにASPCAメイクオーバーマーケットプレイス(ASPCA Makeover Marketplace)は、馬の乗り手がレクリエーションあるいは競技用の馬を探す絶好のチャンスを提供する。そこでは競技出場馬のおよそ半数が購買可能である(ASPCA...アメリカ動物虐待防止協会)。
このイベントでは、大規模なスポンサー展示会や競馬グッズのサイレント・オークション(訳注:展示会場で入札用紙に購入希望金額を書き、入札者の中で最高額をつけた人が落札者となる)もある。来場者は誰でも無料でセミナーに出席することができる。10月4日(木)・5日(金)には各競技の予選が行われ、予選を通過した上位5頭による決勝戦は10月6日(土)に行われる。決勝戦の観戦には入場券が必要であり、オンラインで購入可能(www.tbmakeover.org/tickets)。
サラブレッドメイクオーバーの競技出場馬一覧は以下のサイトで閲覧可能である。各馬の血統・競走成績・生産者・現役最後のレースにおける関係者が掲載されている。検索もでき、州・父馬ごとのソートもできる(www.tbmakeover.org/horse-entries)。
By Breeders' Cup Press Release
(1ドル=約115円)
[bloodhorse.com 2018年10月2日「Retired Racehorse Project, Breeders' Cup to Partner」]