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2018年07月12日  - No.26 - 1

世界最高落札価格の牡駒、ザグリーンモンキーが14歳で死亡(アメリカ)[その他]


 ザグリーンモンキー(The Green Monkey 父フォレストリー)は2歳のとき、世界最高落札額1,600万ドル(約17億6,000万円)を記録し、サラブレッド史にその名を刻んだ。ランディ・ハートリー(Randy Hartley)氏によれば、ハートリー/デレンゾ牧場(Hartley/DeRenzo Thoroughbreds フロリダ州オカラ近郊)にいた14歳の同馬は、蹄葉炎との闘病の末、5月に安楽死措置が取られた。そして同牧場に埋葬された。

 ハートリー氏は、「ザグリーンモンキーは一生に一度巡り会えるかどうかの馬です。世界最高落札額は私たちの人生を変えました」と述べた。

 ザグリーンモンキーはこの4年間闘病していた。しかし、今年初めにそれは克服できないものとなった。

 ハートリー氏によれば、安楽死措置の決定が下されてから、同牧場は感傷的な雰囲気に包まれていた。なぜなら、ザグリーンモンキーは同牧場とセリ会社に大きな影響を与えたからである。

 同氏はこう語った。「彼はこの4年間、蹄葉炎に罹り、肉体的に弱っていました。彼が快適に過ごせるようにできる限りのことをしてきました。回復しつつありましたが、6ヵ月前に症状が悪化しました。誰もが安楽死措置を避けようとしましたが、回復する気配はなく、悪化の一途をたどっていました。そしてその措置を取るべきときが来てしまいました」。

 ザグリーンモンキーは、サティッシュ・サナン(Satish Sanan)氏のパドゥアステーブル(Padua Stables)で生産された。2005年ファシグ・ティプトン社7月ケンタッキーセレクト1歳セールでテイラーメイドセールスエージェンシー(Taylor Made Sales Agency)により上場された同馬は、ハートリー/デレンゾ牧場に42万5,000ドル(約4,675万円)で購買された。

 ハートリー氏はこう振り返った。「彼を手に入れるために私たちは粘りました。私は40万ドル以上出せないと思っていましたが、ディーン(・デレンゾ)は42万5,000ドルまで競り合うことを決意しました。ディーンは帰り道でずっと、"払い過ぎだろうか?"と聞いてきました。私は"そうは思わない。もう手に入れてしまったのだから"と言いました。ザグリーンモンキーを牧場に連れて帰って、放牧地に出したとき、私は"普通ではない馬だから、これまで持った馬の中で最速の馬になるだろう"と言いました」。

 そして翌年、コルダー競馬場で開催されたファシグ・ティプトン社フロリダセレクト2歳セールにザグリーンモンキーを再び上場すると、セリ前の展示走行の際に最後の200mを9秒4/5で駆け抜け、注目を集めた。

 ザグリーンモンキーは、セリのリングでも人々をあっと言わせた。クールモア牧場関係者(マイケル・テイバー氏、スーザン・マグニア氏、デリック・スミス氏)の代理人デミ・オバーン(Demi O'Byrne)氏が、モハメド殿下の当時のエージェントのジョン・ファーガソン(John Ferguson)氏と長く競り合い、最高落札価格1,600万ドルで同馬を購買したのだ。

 ザグリーンモンキーはトッド・プレッチャー調教師に管理されたが、怪我に悩まされ期待に応えることができなかった。その競走生活において3戦して1回3着となっただけで引退した。獲得賞金額は1万440ドル(約115万円)。

 ザグリーンモンキーの引退後、ハートリー/デレンゾ牧場はその所有権の半分を獲得し、同馬を種牡馬として供用した。初年度に40頭に種付けしたが、牝馬所有者を引き付けることはできなかった。

 ハートリー氏とデレンゾ氏は健康状態が悪化した同馬のために、専用パドックのある大きめの馬房を建設した。

 同馬が送り出した最高の産駒は、パナマの牝馬三冠馬モンキービジネス(Monkey Business)、北米のブラックタイプ勝馬であるキンズファンキーモンキー(Kinz Funky Monkey)とグリーンドクター(Green Doctor)である。

 ハートリー/デレンゾ牧場にはザグリーンモンキーの牝馬がいて、クオーターホースと交配し、優秀な馬を送り出していると、ハートリー氏は付言した。

By Ron Mitchell

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2018年7月9日「World Record-Priced Colt The Green Monkey Euthanized」]


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