競馬機構の初代会長にロバートソン元スポーツ大臣(イギリス)[開催・運営]
2012年ロンドン五輪開催を所管した保守党のサー・ヒュー・ロバートソン(Sir Hugh Robertson)元スポーツ大臣(55歳)は、新設される競馬機構(Racing Authority)の会長に任命された。競馬機構は、賦課金収入の使途を決定する任務を引き継ぐ予定である。
BHA(英国競馬統轄機構)のスティーブ・ハーマン(Steve Harman)会長は、ロバートソン元大臣はこの任務に"健全な独立性"をもたらすだろうと述べた。
2019年4月、競馬機構は競馬賭事賦課公社(Levy Board)の賦課金収入の使途を決定する任務を正式に引き継ぎ、同時にロバートソン元大臣はその初代会長として3年間の任期を開始する予定。しかしその前に、ロバートソン元大臣は今月中にその前身となる"影の競馬機構(シャドー・オーソリティ)"の会長に任命されるだろう。
ロバートソン元大臣は、王室騎兵隊での短期間の任務を含め10年間にわたり軍隊に勤務した。その後、資産管理会社シュローダーズ(Schroders)と関わる仕事を行い、2001年にフェイヴァーシャムとミッドケントから立候補して下院議員となった。
2010年にはスポーツ・オリンピック大臣に就任。2013年には外務省に移り中東・北アフリカ・テロ対策を担当した。2015年に政界を引退した後は、ドバイのリーダーの顧問会社であるファルコンアソシエーツ(Falcon Associates)に携わり、英国オリンピック委員会(British Olympic Association)の議長を務めた。
ロバートソン元大臣はこう語った。「英国競馬界のこの新しい役割を引き受けることを嬉しく思います。競馬界がこのような刺激的な新しいチャンスに乗り出すにあたり、私の独立性、スポーツ界での幅広い経験、スポーツ財政についての知識が役立つことを望んでいます」。
ロバートソン元大臣はスポーツ人材派遣会社Sriの調査を経て、指名委員会において選出された。指名委員会は、BHAのハーマン会長、競馬場協会(Racecourse Association)のマギー・カーヴァー(Maggie Carver)会長、馬主協会(Racehorse Owners Association)のニコラス・クーパー(Nicholas Cooper)理事長で構成される。
ハーマン会長はこう語った。「ロバートソン元大臣の任命を嬉しく思っています。候補者リストには優秀な方々の名前がありました。競馬界がたいへん才能豊かな人々を引き付けていることの表れです」。
「ロバートソン元大臣は、英国のオリンピックスポーツのために10年以上尽力してきました。また、賦課金制度改革の提唱者でありサポーターでした」。
「彼は賦課金収入を増やすことや、競馬界の繁栄と成長を持続させることに意欲的です。また、競馬機構に健全な独立性をもたらし、豊富な運営経験を活かすでしょう」。
昨年、競馬機構の会長がその小委員会の議長を兼務することについては、議論を重ねる必要があると言われていた。小委員会は、競馬界・賭事産業の代表者たちで構成され、賭事に関する競馬界の方針決定に携わる。
By Bill Barber
[Racing Post 2018年1月8日「Levy reforms latest: Sir Hugh Robertson named Racing Authority chairman」]