ビル・ネーダー氏が再び香港ジョッキークラブの役員に就任(香港)[開催・運営]
米国や香港の競馬界で役員を務めてきたビル・ネーダー(Bill Nader)氏が、香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club: HKJC)に復帰する。3月12日から新たに設けられた"競馬ビジネス・運営担当理事"のポストに就く。
この新しいポストは、アンソニー・ケリー(Anthony Kelly)専務理事の突然の辞任に対応するために設けられた。ケリー氏は、2015年のHKJC再編の一環としてネーダー氏の後継者となっていた。同氏はHKJCに"一身上の都合"ですぐに辞任したいと願い出て、先週英国に帰国したと伝えられている。HKJCは3月5日、ケリー氏の辞任を発表していた。
CEOウィンフリード・エンゲルブレヒト-ブレスケス(Winfried Engelbrecht-Bresges)氏(以下ブレスケス氏)は3月5日、サウスチャイナモーニングポスト紙(SCMP)に対してこう語った。「ケリー氏の突然の辞任を受けて、この事業をよく知る人物を連れてくるのがベストだと考えました。どのような選択肢があるか検討しましたが、事情をよく分かっているネーダー氏がこの職務に適していると私は考えました。彼は香港も香港競馬も愛しています。それに関係者の間での信頼も絶大です」。
「ネーダー氏は香港を去ってからも香港競馬に夢中で、私たちは、彼がHKJCを離れてからもやりとりを続けてきました。彼は香港競馬界に復帰する機を見るや、そのチャンスに飛び付きました。また彼は香港の永住権を持っているので、突然のことでしたが、彼に復帰してもらう手続きは簡単でした」。
ブレスケス氏は、SCMPにケリー氏の辞任についての詳細を聞かれ、「私たちは彼の辞任理由は一身上の都合だと考えており、それを尊重したいと思っています」と述べた。
ネーダー氏は、NYRA(ニューヨーク競馬協会)で上席副理事長兼COO(最高執行責任者)を務めた後、8年間HKJCに勤務した。2016年1月に米国に帰国してからは、競馬産業と賭事産業の両方において、数々の新規事業や事業拡大についての戦略コンサルタントを務めてきた。
ネーダー氏は今後、競馬統括担当専務理事に新たに指名されたアンドリュー・ハーディング(Andrew Harding)氏の直属となる。HKJCによれば、ネーダー氏は日常的な競馬ビジネス・運営を監督する。それにはハンデキャップ&番組企画、獣医臨床サービス、競馬運営(競馬場と厩舎の両方)、馬主へのサービス、国際競走、スポンサーシップ、海外での馬購買も含まれる。
ネーダー氏は、中国本土の従化区トレーニングセンター(Conghua Training Center)のオープンが数ヵ月後に迫った重要な時期に復帰することになる。
HKJCは声明でこう述べている。「ネーダー氏の任務は、従化区トレーニングセンターの運営をスムーズに開始すること、そして従化区と香港の双方を運用するモデルを実現させることです。また、世界一流の香港競馬のプロモーション戦略推進のほか、アジア・パターン競走委員会においてHKJCの代表を務めるでしょう」。
SCMPは、すでに従化区トレーニングセンターのプロジェクトマネージャーであるリチャード・ティアン・アン-カイ(Richard Tsiang An-Kai)氏が同センターの7月のオープンに向けて広州に異動することも伝えている。
By Blood-Horse Staff
[bloodhorse.com 2018年3月6日「Racing Executive Nader Returning to Hong Kong」]