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海外競馬ニュース
2017年11月22日  - No.46 - 4

日本でも供用された名種牡馬ペンタイア、25歳で死亡(ニュージーランド)[生産]


 1996年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1 以下キングジョージ)優勝馬で、豪州・ニュージーランドのリーディングサイアーとなったペンタイア(Pentire 父ビーマイゲスト)は、長年供用されていたリッチヒルスタッド(Rich Hill Stud ニュージーランド)で死んだ。25歳だった。

 ペンタイアは、ハリファックス卿(Lord Halifax)により生産された。1歳のときにモラーズレーシング(Mollers Racing)の代理人ジョン・ファーガソン(John Ferguson)氏により5万4,000ギニー(約851万円)で落札されて、故ジェフ・ラッグ(Geoff Wragg)調教師のもとに送られ、中距離部門のトップホースに育て上げられた。

 ペンタイアは2歳のときにニューマーケット競馬場の未勝利戦を制し、リッチモンドS(G2)で3着となった。3歳シーズンは初戦のサンダウンクラシックトライアル(G3)から、ディーS(G3)、プレドミネートS(L)、キングエドワード7世S(G2)まで4連勝した。その後初めて挑んだキングジョージではラムタラ(Lammtarra)の首差の2着となった。

 3歳シーズンは英ダービーに出走しなかったこともあり、秋まで多くのレースに出走し、グレートヴォルティジャーS(G2)や愛チャンピオンS(G1)も優勝した。愛チャンピオンSではマイケル・ヒルズ(Michael Hills)騎手を背に大きく出遅れたが、ゴール直前でフリーダムクライ(Freedom Cry)を差し切った。

 ペンタイアは4歳の初戦となる第1回ドバイワールドカップでシガー(Cigar)の4着となり、その後のエクリプスS(G1)ではホーリング(Halling)の3着となった。そして、キングジョージでクラシッククリッシェ(Classic Cliche)やシャーミット(Shaamit)を下して優勝した。

 その後、ペンタイアは将来有望な種牡馬として日本の社台ファームにより購買された。そして、ジャパンカップ(G1)で8着となった後、その競走生活の幕を閉じ、種牡馬入りした。

 ペンタイアは移動の多い種牡馬生活を送った。日本とニュージーランドを行き来し、ドイツのイーザルラント牧場(Gestut Isarland)で2シーズンを過ごし、最終的にリッチヒルスタッドに落ち着いた。

 種牡馬としては豪州とニュージーランドで最も成功し、G1馬16頭を送り出した。その中には、それぞれ2度ずつニュージーランドの年度代表馬に選出されたキングムフハサ(King Mufhasa)とエクセレント(Xcellent)がいた。

 ペンタイアの種牡馬としての軌跡は独特なものである。2002年には人気低迷のためにたった12頭の産駒しか送り出さなかったが、その後人気は回復して生涯のほぼ最後に至るまで強い需要があった。これには2015年11月に、プリンスオブペンザンス(Prince Of Penzance)がメルボルンカップ(G1)を制し、エクストラヴァガント(Xtravagant)がニュージーランド2000ギニー(G1)を制し、産駒のG1優勝が数日のうちに達成されたことが大きく寄与した。

 ペンタイアはブルードメアサイアーとしても頭角を現している。同馬の牝馬ペンタメラス(Pentamerous)は豪州のG1・5勝馬シュートアウト(Shoot Out)を送り出している。

 リッチヒルスタッドのジョン・トンプソン(John Thompson)氏はこう語った。「ペンタイアは25歳でしたが、種付けを続けていて元気でしたので、ずっと生き続けるように感じていました。私たちは月曜日の昼食後、彼が少し具合悪そうにしているのに気づき、嫌な予感がしました。20年間で彼のために獣医師を呼んだのは2回目でした」。

 「診療所に搬送したところ手術が行われることになり、獣医師は腸に囲まれた腫瘍を見つけました。彼らはその腫瘍を取り除き、腸も傷つきませんでした。彼らはペンタイアを回復させようとしましたが、残念ながら目を覚ましませんでした」。

 ペンタイアは生前、ニュージーランドで現役種牡馬として最多の勝馬を出してきた。

 トンプソン氏は次のように述べた。「彼がいなくなって私たちの牧場は寂しくなるでしょう。しかし、ペンタイアのレガシー(遺産)は生き続け、血統においてその強さを保ち続けるでしょう」。

 「直近の2シーズンではG1馬4頭を出しました。これからも多くのG1優勝産駒が出てくるでしょう」。

 ペンタイアはリッチヒルスタッドに埋葬された。

By Martin Stevens

(1ポンド=約150円)

[Racing Post 2017年11月21日「Pentire, King George hero and successful sire, dies at 25」]


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