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海外競馬ニュース
2017年11月16日  - No.45 - 4

サンモリッツで落馬負傷したベイカー騎手が引退(イギリス)[その他]


 今年2月にサンモリッツの湖の氷上で落馬し頭に重傷を負ったジョージ・ベイカー(George Baker)騎手(35歳)は、現役を引退することを発表した。

 2016年英セントレジャーS(G1)をハーバーロウ(Harbour Law)で制したベイカー騎手は、医療関係者の予測に反してみるみるうちに回復し、早々と退院し帰宅していた。しかし経過は順調であったものの、"また今度落馬すれば恐ろしい結果になる"と忠告されていた。

 ベイカー騎手は歩行の訓練から始めなければならなかったが、今ではゴルフやテニスを楽しめるまでになった。11月3日夜、同騎手はこう語った。「しばらく前からレースで再び騎乗することはないだろうと考えていました。そして2週間前に決心しました。もう一度頭を打つようなことがあってはいけません」。

 「目標としていたようにカムバックを果たせれば良かったのですが、時間が経つにつれ何が起こったのか実感するようになりました。あれはあってはならないことでした」。

 ベイカー騎手は通算1,300勝以上を挙げるという誉れ高い騎手生活を送った。平地騎手としてはずば抜けて高い6フィート(約182cm)もの長身で、ずっと減量に耐え、騎乗機会が限られていたことを考えると、驚くべき勝利数である。同騎手は今後、騎手のコーチになるための課程を受ける予定だ。

 ベイカー騎手は1999年に初勝利を挙げ、年間100勝以上を6回も果たした。しかし、G1初優勝は2013年まで待たなければならなかった。同騎手はこの年、英国チャンピオンズデーのフィリーズ&メアーズS(G1)をシールオブアプルーヴァル(Seal Of Approval)で制したのである。

 ベイカー騎手が世間の注目を浴びたのは、サンモリッツでブーメランボブ(Boomerang Bob)に騎乗して落馬事故に遭ったときである。同騎手は脳に傷を負い、スイスの病院で8日間集中治療室に入った。その後ロンドンのウェリントン病院に移され、予定よりもかなり早く妻ニコラと子供のイザベラが待つ家に帰った。

By Graham Dench

(関連記事)海外競馬情報 2017年No.3「落馬事故によりサンモリッツの競馬開催に懸念の声(スイス)

[Racing Post 2017年 11月4日「Baker retires from saddle as a result of St Moritz injuries」]


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