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海外競馬ニュース
2017年09月28日  - No.38 - 4

バース競馬場、コガネムシの幼虫の大量発生で開催中止(イギリス)[その他]


 バース競馬場の役員たちは、10月に予定通り競馬を開催できるかどうかについて、BHA(英国競馬統轄機構)と協議中である。最終コーナーでコガネムシの幼虫が大量発生したために、9月16日(土)の競馬開催は中止を余儀なくされたのである。

 この幼虫の大量発生のために、バース競馬場は6ハロン(約1200m)未満のレースしか施行できない。したがって、中止となった "ジェントルマンズデー"の翌日の"ファミリーファンデー"の競馬番組は5ハロン10ヤード(約1015m)と5ハロン160ヤード(約1152m)の6レースで構成されている。

 9月17日(日)の目玉となるはずだった"バース・サマー・ステイング・シリーズ・ファイナルH"は、競走距離を1マイル5ハロン(約2600m)から1マイル6ハロン(約2800m)に変更して、9月21日(木)にヤーマス競馬場で施行される。その日はヤーマス競馬場のイースタンフェスティバルの最終日である。

 バース競馬場の馬場取締委員であるケイティ・スティーブンス(Katie Stephens)氏はこう語った。「17日(日)の"ファミリーファンデー"は開催するつもりです。中止となった土曜日の入場券をお持ちの方は、様々なオプションが受けられます」。

 「私たちはBHAの競馬番組部と協議しています。10月2日(月)と18日(水)の日程を他場に移すか、あるいはここで施行できるかについては、具体的な決定がなされていません。

 スティーブンス氏の説明によれば、幼虫の大量発生は水曜日の朝に初めて明るみになった。同氏はこう語った。「幼虫の大量発生で開催中止となったことは、これまでありません。以前は幼虫を除去するために、他の全ての競馬場と同様"メリットターフ(Merit Turf)"という製品を使っていました。しかし、昨年10月から使用禁止となったことで被害を受けやすくなり、幼虫を適切に除去できません。それが問題なのです」。

 「最も被害を受けやすい部分は、バックストレッチと最終コーナーです。その近くに林があるからです。以前は幼虫が発生するのを防ぐために殺虫剤をスプレーでまいていました。幼虫は秋まで孵りません。ただ、一夜にして突然孵ることがあります。私たちは細心の注意を払っています。だから今回の問題を発見できたのです」。

 アリーナレーシング社(Arena Racing Company)の競馬担当部長であるジョン・プーリン(Jon Pullin)氏はこう語った。「バース競馬場は幼虫が発生しやすい競馬場です。幼虫は草の根を食べて芝を傷め、馬場の安定性を損ないます。馬場担当チームは昨年、化学薬品を使わずに幼虫の再発生を防止するために、農学者のアドバイスに従って、多くの措置を講じました。9月17日(日)の競馬開催が終われば、今後の日程について判断されるでしょう」。

 「このもどかしい状態により、ホースマン、競馬ファン、賭事客の皆様にご迷惑をおかけしていることをお詫びいたします」。

 「長期的には、芝を手入れして丈夫に保つ方法を追求し続けます。またメリットターフが再び使用できるように、BHAや競馬場協会(Racecourse Association)などの関係団体と協議を重ねていきたいと思います」。

コガネムシの幼虫は"招かれざる客"

 王立園芸協会(Royal Horticultural Society)によれば、コガネムシの幼虫は、芝が生えた土の中で見つかることがある。丸々と太った白い体をC字型に曲げ、頭部はアメ色で、頭部に近い部分に3組の脚を持つ。真っ直ぐにすれば、体長は最大18ミリになる。

 草の根を食べる種類もいれば、他の植物を食べる種類もいる。以下のような現象から、幼虫の発生を発見できる。

 ‣ ‣ 秋から春にかけて、幼虫が成長するときにはっきりと見られる芝生の傷み。

 ‣ ‣ 芝生がところどころ黄色く色褪せることがある。

 ‣ ‣ 幼虫を餌とする鳥・アナグマ・キツネがそれらを捕獲するために芝を引きちぎる。

By Graham Dench

[Racing Post 2017年9月15日「Bath fixture scrapped after grub infestation」]


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