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2017年09月07日  - No.35 - 1

ウィンクス、19連勝を達成しゼニヤッタの記録に並ぶ(オーストラリア)[その他]


 9月2日のチェルムスフォードS(G2 ランドウィック競馬場)でも、いつものウィンクス(Winx)が見られると思われていた。ところが、この名牝の推進力とヒュー・ボウマン騎手の手綱さばきは、これまでと違った形で見せつけられた。

 ウィンクスの鞍上ボウマン騎手は絶妙のタイミングと判断力で、先頭を逃げていたレッドエキサイトメント(Red Excitement 8歳せん馬)をゴールの50m手前でとらえに行った。ウィンクスはこの馬を1馬身差で下し、19連勝を達成した。

 ボウマン騎手は、「前走よりも不安がありました。優秀な馬でも今日は負けていたでしょうが、ウィンクスは別次元です。どうして彼女にこんなことができるのか分かりません」と語った。

 一方クリス・ウォラー(Chris Waller)調教師は、なぜウィンクスが勝てたのか分かっており、こう語った。

 「ボウマン騎手が的確な判断をしました。彼は別格です。彼は最後にうまく決着をつけ、動揺しませんでした。ちょうどいいタイミングに的確な判断をする彼のような騎手は頼りになります。今日はまさにそういう仕事をしてくれました。馬も騎手も素晴らしかったです」。

 今シーズン初戦となった前走のウォリックS(G2 8月19日)では、ウィンクスが発走時に5馬身遅れるというミスを犯したために不安が生じた。しかしチェルムスフォードSでは、ライバル馬がウィンクスに対し積極的な先行策で臨んだ。

 ジェラルド・ライアン(Gerald Ryan)調教師は、レッドエキサイトメントを自由に走らせることに決めていた。ジョシュ・パー(Josh Parr)騎手はその指示に従い、同馬を先頭に立たせて序盤から速いレースを演出した。

 ライアン調教師は、「レッドエキサイトメントと同じぐらいウィンクスに目が行きました。レッドエキサイトメントは物凄い勢いで駆けていました。そんな彼を負かすのは、世界広しといえども、ウィンクス以外にいないでしょう」と語った。

 1600mの中間地点まで、レッドエキサイトメントは2番手のチョカンテ(Chocante)の5馬身前を走っていた。ウィンクスがいる馬群には12馬身の差をつけていた。

 その時、ボウマン騎手は差を詰めなければ収拾がつかなくなると感じた。

 同騎手はこう語った。「レッドエキサイトメントはレースの主導権を握り、あらゆる策を講じていました。私たちは始めの4分の1を気分良く走っていましたが、何が起こりつつあるのか気づきました。900m地点のあたりで差を詰め始めましたが、まだ脚をためなければなりませんでした」。

 「前走では何の不安も感じなかった直線の入り口で、今回はすごく不安になりました。しかし、ウィンクスは信じられないようなことをやってのけました。彼女がやることはすべて信じられないようなことですが、今回は言葉を失うほどでした」。

 残り600mの地点で2頭は10馬身離れていた。残り450mの地点で5馬身差に縮まり、ウィンクスはギアを入れ始めた。残り200mの地点でまだ3馬身離されていたが、そこでボウマン騎手は鞭を落とした。「理想的な展開ではなかったですね」とボウマン騎手。

 ウィンクスはそれでも力強く走っていた。残り100mの地点でレッドエキサイトメントの走りに勢いがなくなった。ウィンクスは同馬をとらえて、ランドウィックの観客の声援が鳴り響く中、先頭でゴールを駆け抜けた。

 パー騎手は、「私はうまくやったと思っていました。レッドエキサイトメントは絶好調で、当然大勝利を収めるだろうと考えていました。今日はこれまでで最高の走りをしました」と語った。

 しかし、今回またしても勝利を収めたのはウィンクスだった。同馬は同じくストリートクライを父とするもう1頭の名牝ゼニヤッタ(Zanyatta)の連勝記録に並んだ。

By Chris Roots

[Racing Post 2017年9月2日「Winx Rallies Late to Claim 19th Straight Victory」]


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