アルカナ社8月1歳セール、史上最高の平均価格を達成（フランス）［生産］

　3日間（8月19日～21日）にわたりドーヴィルで開催されたアルカナ社8月1歳セール（Arqana August yearling sale）は、過去最高の平均価格を達成した。一方、売上げは2016年と比較してわずかに減少し、中間価格は変わらなかった。

　このセリにおいて、上場馬305頭のうち232頭（売却率76.07％）が総額3,864万500ユーロ（約50億2,327万円 前年比3％減）で購買された。平均価格は史上最高の16万6,554ユーロ（約2,165万円 前年比9％増）に上り、中間価格は11万ユーロ（約1,430万円）であった。

　アルカナ社のCEOエリック・オヨー（Eric Hoyeau）氏はこう語った。「フランスの生産者はここ数年において、若い優良繁殖牝馬と、とても水準の高いノミネーション（1シーズンの種付権利）に投資することで、生産馬の質を確実に改善してきました。このセリにおいてその努力が結実するのを誰もが目の当たりにしました。史上最高の平均価格が達成されたことは、彼らが最高級の1歳馬を生産したことに対する当然の報酬です」。

　「購買の面では、世界中から多くの投資家を迎えたことを大変嬉しく思っています。長年参加いただいている顧客と、日本、米国、豪州、それにフランスから多くの新規の顧客が集まりました。私たちは、これらの顧客が質の高い1歳馬を選んで購買できるようにするとともに、フランスの競馬界と生産界が総力を結集して顧客を迎えることを目標としています」。

　中日である8月20日には、ケリラドクリフブラッドストック社（Kerri Radcliffe Bloodstock）が、ドバウィ牡駒を最高価格の155万ユーロ（約2億150万円）で落札した。ジオフラ（Giofra 父ダンシリ）の第2仔であるこのドバウィ牡駒を上場したのはペレル牧場（Haras de la Pérelle）である。ジオフラは競走生活で4勝し、その中には2012年のファルマスS（G1）やダルクール賞（G2）での勝利が含まれる。

　このドバウィ産駒（上場番号160）をめぐり、ケリ・ラドクリフ（Kerri Radcliffe）氏とシャドウェル牧場（Shadwell）のアンガス・ゴールド（Angus Gold）氏がぎりぎりまで競り合ったが、最終的にはラドクリフ氏が落札した。

　ラドクリフ氏はこう語った。「ゴージャスな牡駒です。彼を買わずしてドーヴィルを去りたくはありませんでした。アンドレ・ファーブル（André Fabre）厩舎に預託する予定です。最高の活躍をすることを望んでいます」。

　もう1頭の7桁（100万ユーロ以上）で落札された1歳馬は、初日の最後にリングに現れたガリレオ牡駒（上場番号88）であり、クールモア牧場のM・V・マグニア（M. V. Magnier）氏が100万ユーロ（約1億3,000万円）で落札した。この牡駒は、モストインプルーヴド（Most Improved）とエクト（Ectot）の半弟であり、モンソー牧場（Ecurie des Monceaux）により上場された。

　この牡駒をマーカス・ジュースト（Markus Jooste）氏のメイフェアスペキュレーターズ社（Mayfair Speculators）およびP&Rドイル社（P&R Doyle）と共同で所有することになるマグニア氏は、こう語った。「とても素晴らしい牡駒でG1馬の半弟なので、彼もG1馬になれることを望んでいます。ガリレオは今年、驚異的な偉業（産駒のG1・70勝）を達成しました。その勢いは続くと信じています」。

　モンソー牧場が上場したもう1頭のガリレオ産駒は、95万ユーロ（約1億2,350万円）で落札され、このセリの最高価格牝駒となった。この牝駒もメイフェアスペキュレーターズ社、P&Rドイル社、マグニア氏に共同で所有されることとなる。フランスのステークス勝馬プリュデンジア（Prudenzia）を母とするこの牝駒（上場番号51）は、2013年愛オークス優勝馬チキータ（Chicquita）の半妹である。チキータはクールモア牧場のデリク・スミス（Derrick Smith）氏、スーザン・マグニア（Susan Magnier）氏、マイケル・テイバー（Michael Tabor）氏に所有された。

By Ron Mitchell

（1ユーロ＝約130円）

［bloodhorse.com 2017年8月21日「Arqana Yearling Sale Concludes With Record Average」］