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海外競馬ニュース
2017年09月01日  - No.34 - 1

ハリケーン「ハービー」上陸で100頭以上が競馬場に避難(アメリカ)[その他]


 これまでのところ、テキサスの競馬産業はハリケーン「ハービー」による最悪の被害を免れているようだ。「ハービー」は8月25日、米国南部のメキシコ湾岸から暴風を伴って上陸した。大雨が降り続き、ヒューストンは深刻な冠水被害に見舞われた。降水量は米本土史上最高の1250ミリ超に達した。

 サムヒューストン競馬場はヒューストン市の北西部にあり、そばには有料道路が通っている。その安全対策チームのローランド・タメス(Roland Tamez)氏は、「大きな損害や洪水はありませんでした」と述べた。今シーズンの競馬開催は5月に終わっているので、ハリケーン上陸時には競走馬はいなかった。

 厩舎地区は今、浸水地域からの避難馬のシェルターとして使われている。洪水に遭った経験のある馬主は用心のために、ハリケーン上陸前に馬を競馬場に運んだ。

 タメス氏はこう語った。「現在、3厩舎に100頭以上が収容されています。馬のためにシェルターを必要とする人々は、電話してください。受入れを手伝う警備員を手配します」。

 「馬房には扉がありません。そのため、馬主はステーブルガードを準備する必要があります。その他、乾草、飼料、寝藁、飼い桶、バケツも用意してください。競馬場は水を供給します」。

 「競馬場周辺の道路は閉鎖されておらず、有料道路とその支線付近は浸水していません。競馬場と州間高速道路I-45の間も通行できる状態です」。

 サムヒューストン競馬場のアンドレア・ヤング(Andrea Young)理事長は、「厩舎地区は必要な限り使っていただけます」と述べた。

 そしてこう続けた。「人々が家に戻れるまでに3週間から1ヵ月間ほどかかる地区もあるでしょう。水が引くのにそれぐらい時間が掛かります。私たちはできる限りの援助を行うつもりです」。

 内陸でずっと激しい雨が降ったため、ジレスピー郡フェアグラウンズ(フレデリックスバーグ近く)の競馬場は先週末のレースを中止した。州の裁決委員は、施設自体に被害はないがコースが浸水したため危険であると判断していた。中止となったクォーターホースのステークス競走は代わりに、そこから約113キロメートル離れたサンアントニオのリタマパーク競馬場で施行される予定である。

 テキサス州サラブレッド協会(Texas Thoroughbred Association: TTA)のメアリー・ライル(Mary Ruyle)専務理事は、こう語った。「サムヒューストン競馬場で受け入れた避難馬以外に、ホースマンから救助を求める電話はそれほど多くありませんでした」。

 「現在作成中の被害状況リストをもうすぐ発表します。しかし、あまり問合せがなかったのは意外です。牧場の大半が最も激しく被災した地域よりも内陸にあったことが、その理由の1つでしょう」。

 リタマパーク競馬場のジェームズ・レザーマン(James Leatherman)業務部長は、そこでは降水量50.8ミリ、風速20~22メートルで、柵が壊れるなど小さな被害しかなかったと語った。

 ルイジアナ州では、8月31日にオペルーサスでエクワインセールスカンパニー(Equine Sales Company)のコンサイナーセレクト1歳セール(Consignor Select Yearling Sale)がスケジュール通り午前10時から開催される予定である。セリ会場とその周辺エリアはハリケーン「ハービー」による大きな被害は受けていない。

By Eric Mitchell

[bloodhorse.com 2017年8月29日「Sam Houston Shelters Horses Displaced by Texas Flood」]


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