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海外競馬ニュース
2017年08月24日  - No.33 - 2

第6回中国馬文化フェスティバル、国際色豊かに開催される(中国)[開催・運営]


 8月20日、中国北部の内モンゴル自治区の伊旗競馬場で毎年恒例のチャイナホースクラブ(China Horse Club: CHC)の中国馬文化フェスティバル(Chinese Equine Cultural Festival)が開催された(訳注:この競馬開催は"内モンゴル・オルドス国際御馬文化節"とも言われる)。第6回目を迎えたこのフェスティバル(主要4レース)には、朝の豪雨をものともせずに、1万6,000人のファンが集まった。

 フェスティバルは伝統的な龍舞から始まったが、レースが始まる頃には空が晴れ渡った。レースの合間には、一連の文化的なパフォーマンスが散りばめられた。来場した観客に加え、インターネットのライブストリーミングを通じて200万人ほどがこの日のレースを視聴したと、CHCの役員は述べた。

 このフェスティバルは、CHCの会員を集めることを主な目的としており、中国本土における競馬振興のためにCHCが果たしてきた発展をはっきり示している。

 CHCは世界中で馬主として成功を収めてきた。とりわけ今年は、CHCの赤と黄色の勝負服を背負ったアベルタスマン(Abel Tasman)がケンタッキーオークス(G1)を制すなど、顕著な活躍を見せている。しかしCHCは依然として、中国本土で競馬のステータスを向上させるのに苦戦を強いられている。中国本土の各地で競馬は運営されているが盛上りに欠け、競馬賭事は許可されていない。

 CHCの創立者でCEOのテオ・アー・キン(Teo Ah Khing)氏は、レース開催日前のインタビューでこう語った。「65年間、中国本土に競馬がなかったことを肝に銘じなければなりません。この2年間で様々な分野が開拓されました。私たちはこの4~5年、中国本土でも活動しています」。

 「CHCは馬の需要を創出するために、数年後にはそのオーナーシップモデルを大幅に拡大することを望んでいます。馬の需要が高まれば、伊旗のコンセプトの1つである馬生産業の支援になります。今後すぐに賭事の進展がなくても馬の需要は高まるでしょう」。

 「私たちは競馬のコンセプトやその他の事柄を少しずつ体系的に取り入れてきました。賭事が議題に上がることはありますが、今のところ主要議題となってはいません。しかし、私たちはそのことをいつも念頭に置いています。それが実現すれば、素晴らしいボーナスとなるでしょう」。

 4人からなる外国人ジョッキーチームは、メインレースのCECFノースダコタクラシック(2000m)など計2勝を果たした。ノースダコタ(North Dakota 父ガリレオ)は中国の三冠を達成し、現在注目を浴びる中国の種牡馬である。

 豪州産のせん馬ヘイルズ(Hales 父ハラダサン)はCECFノースダコタクラシックにおいて、南アフリカのシャーマン・ブラウン(Sherman Brown)騎手を背に、最後の直線で他馬をかわして優勝した。豪州を拠点とするダニエル・ムーア(Daniel Moor)騎手は、第1レースでせん馬オルドスコート(Ordos Coat 父コーツチョイス)を懸命に追って勝利に導いた。

 ニュージーランド産牝馬セイモア(Seymour 父ファーストゥンフェイマス)は、地元の張瑞瑞(チャン・ルエルエ)騎手を背にその日の第2レースを制した。また、劉三平(リュウ・サンピン)騎手はフランス産せん馬ヴィルキエ(Villequier 父フットステップスインザサンド)を第3レースで勝利に導いた。

 昨年の中国馬文化フェスティバルでも騎乗したムーア騎手はこう語った。「馬の質は上がりました。今日私が騎乗したオルドスコートは中国のスター馬になるかもしれません」。

 ロシアのアレクサンダー・イヴァンスコイ(Alexander Ivanskoy)騎手やトリニダード・トバゴ代表のシェルドン・ロドリゴ(Sheldon Rodrigo)騎手は、4レースにおいて勝鞍がなかった。イヴァンスコイ騎手は中国馬文化フェスティバルで騎乗した2人目のロシア人騎手であり、ロドリゴ騎手はトリニダード・トバゴから参加した初めての騎手であった。

 昨年のフェスティバルは晴天に恵まれ、また地元で隔年に開かれるスポーツイベントによる押上げ効果もあって、2万人の観衆が集まった。

By Bob Kieckhefer

[bloodhorse.com 2017年8月17日「China Horse Club Meeting Brings World to China」]


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