走行妨害ルールをめぐりフランスとドイツが孤立する可能性(国際)[開催・運営]
IFHA(国際競馬統括機関連盟)の国際諮問委員会で合意された新たな措置が予想通り採択されれば、しばしば物議を醸しているレース中の走行妨害ルールをめぐり、フランスとドイツは英国やアイルランドなど他の主要競馬国から孤立する恐れがある。
香港で開催されたIFHAの国際開催日ルール調和諮問委員会(International Harmonisation of Raceday Rules Committee)は、フランスとドイツ以外の大多数の競馬統轄機関が採用している方針を支持した。
同諮問委員会はこれまで、既存の2つの考え方を認めており、どちらかを優先することはなかった。しかし今回の会合では、英国代表であるBHA(英国競馬統轄機構)のジェイミー・スティア(Jamie Stier)氏が、速やかにどちらかの考え方に一本化すべきであると主張したことから、大多数の国が採用している方針が採択された。
新ルールの草案は、IFHAの技術諮問委員会(Technical Advisory Committee)に提出されて、そこで承認されれば賭事に関する国際協定に加えられる。
新ルールの草案にはこう記されている。「レースを開催する統轄機関の見解において、馬あるいは騎手が他馬の走行を妨害して被害馬より先着したが、もしその走行妨害がなくても被害馬が加害馬よりも先着することはなかったと判断される場合、裁決委員が決定した順位が維持される」。
「レースを開催する統轄機関の見解において、馬あるいは騎手が他馬の走行を妨害して被害馬より先着したが、もしその走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していただろうと判断される場合、加害馬は直ちに被害馬の後ろに降着となる」。
国際協定は義務的なものではなく勧告であるが、各国の署名が必要で、署名しない国がある場合には、その国に説明が求められることになるだろう。
ドイツはほぼ確実にフランスと足並みを揃えるだろう。フランスギャロ(France Galop)の内部には大多数の国々の方針に賛成する者もいるが、フランスギャロの独立したルール作成組織に方針の変更を納得させることができるかどうかは、疑わしいままである。
By Howard Wright
[Racing Post 2016年12月11日「France and Germany face threat of isolation over interference rules」]