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2017年06月15日  - No.23 - 3

中国の公式獣医師団がケンタッキーを訪問(アメリカ・中国)[その他]


 中国が米国のサラブレッドに門戸を開放することを視野に、ケンタッキー州の農務当局者と競馬産業のリーダーは、中国と関係を構築しつつある。

 ケンタッキー州のライアン・クォールズ(Ryan Quarles)農務長官と数人の馬産業のリーダーは、4月に訪問した中国の公式獣医師団を歓迎した。

 クォールズ氏と州の獣医師ロバート・スタウト(Robert Stout)博士が獣医師団を受け入れ、ケンタッキー州サラブレッド協会(Kentucky Thoroughbred Association: KTA)とケンタッキー州サラブレッド馬主・生産者協会(Kentucky Thoroughbred Owners and Breeders:KTOB)、米農務省、キーンランド協会(Keeneland Association)、アメリカ・クオーターホース協会(American Quarter Horse Association)が、州内のセリ会社・馬診療所・牧場を巡るツアーを調整した。

 中国獣医師団の訪問先には、キーンランド協会、ファシグ・ティプトン・ケンタッキー社(Fasig-Tipton Kentucky)、ルード&リドル馬診療所(Rood&Riddle Equine Hospital)、ハギャード馬診療所(Hagyard Equine Medical Institute)、ダーレー(Darley)、ウィンスター牧場(WinStar Farm)、ロレックスケンタッキー・3デーイベント(Rolex Kentucky 3-Day Event 乗馬大会)が含まれていた。

 クォールズ農務長官はこの機会を利用して、中国の政策当局者たちに馬伝染性貧血に関する国際基準を受け入れるよう促した。現在、米国から中国への生きた馬の輸出は、馬伝染性貧血のために禁じられている。

 クォールズ氏はこう語った。「ケンタッキー州は、世界最高級のサラブレッドの故郷です。中国が国際的な馬産業で主要なプレイヤーになろうと思うのであれば、ケンタッキーの馬に門戸を開放すべきです」。

 またスタウト博士は動物の安全と疾病予防の観点から、「ケンタッキー州は世界一価値のある馬産業を守るために、州・連邦当局および産業内の主要な人々と手を携えて取り組んでいます」と強調した。

 昨年9月、クォールズ農務長官、KTAとKTOBの専務理事を務めるチョーンシー・モリス(Chauncey Morris)氏、キーンランド協会の中国代表を務めるデヴィッド・スノッドグラス(David Snodgrass)氏が中国を訪れた。今回の中国獣医師団の訪問はそれに続くものである。モリス氏は、今回の訪問により、中国がケンタッキー州および米国からの馬の輸出を許可することを望んでいると述べた。

 さらに同氏はこう付言した。「クォールズ農務長官は、トランプ大統領が新しい駐中国大使に任命したテリー・ブランスタッド(Terry Branstad)氏と密接に連携しています。そして、新たに米国農務長官に就任したソニー・パーデュー(Sonny Perdue)氏も、米国産馬に対して中国が門戸を開放することに取り組むでしょう」。

By Frank Angst

[The Blood-Horse 2017年5月6日「Kentucky, Industry Leaders Build Relationship With China」]


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