BHA、厩舎スタッフの不足問題に取り組むため学生対象のコースを開講(イギリス)[その他]
BHA(英国競馬統轄機構)は、厩舎スタッフが不足している問題に取り組むために、英国の馬専門学校の学生を対象とした訓練コースを立ち上げようとしている。
BHAは、このコースを英国競馬学校(British Racing School)および北部競馬学校(Northern Racing College)と共同で創設した。このコースは32名の受講生を迎え、厩舎スタッフとしての就職先の斡旋も行う。
このプログラムは、すでに馬を扱った経験のある若者の厩務員あるいは調教助手への就職を促すことを目的としている。今年のエントリーについては無料である。
競馬財団(Racing Foundation)が資金を提供するこのプログラムは、熟練した調教助手と厩務員の不足問題に対応するために幅広く展開されている活動の一環である。
BHAの人材開発担当理事であるキャロル・ゴールドスミス(Carole Goldsmith)氏はこう語った。「しばらく前からいくつかの馬専門学校とともにこの問題に取り組んでおり、競馬界への就職機会を紹介するため、キャリアに関する講義を行っています」。
「また私たちは、すべての馬専門学校生が厩舎と競馬場を訪れて実際に働く環境を体験できるように、競馬学校とその騎乗者養成部門とともに取り組んできました」。
「昨年小規模な試行を行った後、馬専門学校の卒業生が厩舎で即戦力となるように、騎乗や馬の扱い方に関する特別訓練コースでスキルを向上させるための要件を定めました」。
このプログラムでは、4週間の泊り込みの訓練コースの後に、就職先となる厩舎の斡旋が行われる。訓練コースでは、競走馬への騎乗方法、競走馬のケアの仕方について詳細にわたり指導が行われる。この夏は、英国競馬学校と北部競馬学校でそれぞれ16名の受講生を迎える予定である。
コースを受講するには、馬専門学校の馬あるいは動物に関連する資格取得コースの最終学年に属しているか、最近の卒業者でなければならず、競走馬と接する仕事に強い関心と情熱を持っていることが条件である。
泊り込みの訓練コースは夏に実施され、その受講申請は6月9日まで受け付けられている(careersinracing.com)。申請が受理された場合、面接が実施され、騎乗能力・体力・コースへの適応性が審査される。
ドナルド・マケイン(Donald McCain)調教師はこう語った。「素晴らしい計画です。この分野に長けた若者は沢山います。より多くの厩舎スタッフを雇用するための取組みは、評価されるべきです」。
By Jon Lees
(関連記事)海外競馬ニュース 2015年No.24「優先されつつある厩務員不足の問題(イギリス)」
[Racing Post 2017年5月8日「BHA targets students in bid to tackle stable staff shortage」]