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2017年06月08日  - No.22 - 3

ケンタッキーダービーは日本馬を招致できるか(アメリカ・日本)[開催・運営]


 エピカリスの関係者は、ベルモントS(G1 6月10日)に同馬を出走させるとNYRA(ニューヨーク競馬協会)に伝えた。これにより、ニューヨークで開催されるベルモントS(1½マイル)は、日本で馬券を発売する最初の米国三冠競走となり、大きな利益をもたらすチャンスを手にするだろう。

 その一方で、チャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.: CDI)は、ケンタッキーダービー(G1)の国際的な魅力と収入を増加させることを期待して、来年こそ日本馬が同レースのスターティングゲートに入るように再度勧誘を試みるつもりである。

 NYRAの役員たちは5月3日、エピカリス(馬主キャロットファーム)の関係者が同馬をベルモント競馬場で北米デビューさせることを計画していると述べた。NYRAは日本調教馬が今年のベルモントSを制した場合に100万ドル(約1億1,000万円)のボーナスを提供するが、エピカリスにはそれを受け取る資格がある。

 萩原清調教師は、UAEダービー(G2 3月25日)2着のエピカリスにとって、ケンタッキーダービーに参戦するにはベルモントSほど時間の余裕がないと述べ、こう語った。

 「ドバイ遠征後に日本に帰国したとき、エピカリスには輸送による疲労が少しあったので、十分に休ませようと思いました。"日本からケンタッキーダービーへの道"(Japan Road to the Kentucky Derby)の対象レースで優勝したので出走権はありますが、ケンタッキーダービーとプリークネスS(G1)には参戦させないことにしました。現在エピカリスは完全に元気を取り戻し、良い状態です。それでベルモントSへの挑戦を決定しました」。

 日本では毎年いくつかの海外レースの馬券発売が認可されている。海外レースに日本馬が出走すれば、馬券が発売される可能性が高まる。

 NYRAとJRAの契約に基づき、日本でのベルモントSの馬券発売は、共同プールではなく日本の独立プールで実施される。

 NYRAの競馬運営担当上席副理事長であるマーティン・パンザ(Martin Panza)氏は、「NYRAはここ2年、この案件について取り組んできました。そして日本のホースマンや競馬ファンから良い反応をもらいました」と語った。

 CDIのCEOビル・カースタンジェン(Bill Carstanjen)氏は、2017年ケンタッキーダービーに日本馬を誘致していれば、財政面でのボーナスをもたらしただろうと語った。

 CDIがJRAと共同で立ち上げた"日本からケンタッキーダービーへの道"は、日本のマイル戦2レースにおいて獲得ポイント数で最上位の馬にケンタッキーダービー出走権を与える(獲得ポイント数で3位の馬までは、上位の馬の辞退による繰上げで出走できる)。しかし今年は、これら3頭のいずれもがケンタッキーダービーに遠征しなかった。

 CDIの会長兼COO(最高執行責任者)のビル・マッド(Bill Mudd)氏はこう語った。「今年"日本からケンタッキーダービーへの道"による遠征馬は来ませんでしたが、日本馬を引き付ける取組みを拡大する予定です」。

 「今後、日本馬をケンタッキーダービーに招致する可能性は高まると思います。私たちはおそらく、"日本からケンタッキーダービーへの道"の対象レースを増やすでしょう」。

 「私たちがケンタッキーダービーを大きく収益化してきたのと全く同じ方法で、成果を見ることになるでしょう。日本での馬券発売は、私たちにもう1つの市場を与えてくれます。ケンタッキーダービーを対象にした馬券発売の中でも、より一層ワクワクさせられるものとなるでしょう」。

 日本の賭事市場は昨年まで海外レースに対して門戸が閉ざされていたが、最初にそれが開放された凱旋門賞(G1)では日本での発売金は41億8,599万5,100円に達し、フランスでの同レースの発売金を上回るものだったと、マッド氏は指摘した。

 そして、「ケンタッキーダービーの放映権を持つNBCスポーツ(NBC Sports)は日本への映像配信を実施するチャンスを手に入れるでしょう。それはやがて、経済面での貢献につながることが期待できます」と続けた。

 マッド氏はこう付言した。「もちろん、ケンタッキーダービーの一環として、私たちに利益をもたらす可能性のある日本のスポンサーが沢山いるでしょう。それに、チャーチルダウンズ競馬場は36の新しい来賓室を建設中です。日本の関係者に提供するホスピタリティーの追加について、多くの人々から問合せを受けています」

By Greg Hall

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[The Blood-Horse 2017年5月13日「Belmont Simulcast in Japan to Add Millions in Handle」]


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