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2016年12月02日  - No.48 - 1

レーシングポスト紙による香港競馬ガイド(香港)[開催・運営]


 香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club: HKJC)と英国のブックメーカー大手3社(ベットフレッド社・ラドブロークス社・コーラル社)の間で契約が締結され、英国の賭事客は11月16日から、香港の巨大賭事プールで賭事を行うことができる。

 よく知られているように、香港の賭事プールはとても大きい。昨シーズンの1開催日あたりの平均賭事売上げは、驚くことに、1億3,494万4,842ポンド(約188億9,228万円)に上った。このような巨大賭事プールで制限なく賭事ができる環境に、多くの人々が魅了されることは間違いない。

 シャティン競馬場では主に日曜午後(イギリス時間:午前5時~10時)、一方、高層ビル群の中にある壮観なハッピーバレー競馬場では通常水曜夜(イギリス時間:午前11時15分~午後3時)にレースが施行される。

 香港にはこの2つの競馬場しかない。しかし、英国で冬の間に施行されるオールウェザー競走に比べ、香港の競走馬は総頭数は少ないもののスピードとスタミナを持っていることを考えれば、この賭事プールで賭事を行うことを考える抜け目ない賭事客が多数いても不思議ではない。

 レーシングポスト紙は今後、読者が馬券を当てるために、専門家の助言を参考に全力でサポートする予定だが、ここではまず始めに、魅力的な香港競馬について知っておかなければならない情報を提供したい。

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香港の2つの競馬場

・ハッピーバレー競馬場

 香港の中心地の高層ビル群の中にあるハッピーバレー競馬場は、世界で最も注目すべき競馬場の1つである。通常水曜夜にレースを施行。2016-17年シーズンの開催日数は42日。この小回りの競馬場は、急なコーナーと短い直線(約300m)を特徴とし、内埒沿いに好位置を確保するためにスタートから早めの戦術的スピードを使うことが重要となる。スピードを控えて走らせようとすると、外を回されて身動きが取れなくなり不利になってしまう。

・シャティン競馬場

 ハッピーバレーよりも大きく、8万5,000人を収容できるシャティン競馬場には2つのコースがあり、レースは午後に施行される。内側にオールウェザーコース、外側に芝コースがある。一般的にハッピーバレーよりも公平なコースと見られているため、G1競走は全てシャティン競馬場で施行される。直線はハッピーバレーよりも長い400m以上で、クラス2の1000m戦のタイムはハッピーバレー競馬場よりも1秒以上速い。



香港競馬界の主要人物

・騎手

 ここ数年、"マジックマン"として知られる驚異のブラジル人ジョッキー、ジョアン・モレイラ騎手が香港競馬界を牛耳っている。2015-16年シーズンは168勝を挙げて2回目のリーディングタイトルを獲得した。2位のザック・パートン(Zac Purton)騎手は80勝で、モレイラ騎手に遠く及ばなかった。

 モレイラ騎手は香港を拠点としている。一方、クリストフ・スミヨン騎手、ヒュー・ボウマン騎手、ヴァンサン・シュミノー(Vincent Cheminaud)騎手、ジェラルド・モッセ(Gerald Mosse)騎手、チャド・スコフィールド(Chad Schofield)騎手などは、短期免許を取得して度々騎乗している。英国人ジョッキーでは、ニール・カラン(Niel Callan)騎手が香港を拠点としており、短期免許で騎乗したライアン・ムーア騎手、シルヴェストル・デ・ソウサ(Silvestre de Sousa)騎手は昨シーズンそれぞれ16勝を挙げた。今シーズンはオイジン・マーフィー(Oisin Murphy)騎手も香港で騎乗する。

・調教師

 豪州人のジョン・サイズ(John Size)調教師は2015-16年シーズンに68勝を挙げ、8回目のリーディングトレーナーのタイトルを獲得した。しかし、リーディングが獲得賞金で決定されるのであれば、同じく豪州人であるジョン・ムーア(John Moore)調教師が、サイズ調教師の獲得賞金9,791万7,838香港ドル(約14億6,877万円)を上回っている。

 ムーア調教師は、エイブルフレンド(Able Friend)を2015年クイーンアンS(G1・ロイヤルアスコット開催)に出走させたが、ソロウ(Solow)の6着に敗れた。同調教師は香港で最も有名な調教師で、2005年には香港競馬史上最も多くの勝利を挙げた。昨シーズンの勝利数は52勝だったが、獲得賞金額は1億2,174万9,450香港ドル(約18億2,624万円)に上った



香港国際競走

 ロンジンがスポンサーを務める香港国際競走は、今年は12月11日に開催される。香港の競馬開催日程の中で最も権威あるG1競走4レースを施行する。

 昨年はハイランドリール(Highland Reel)が香港ヴァーズ(2400m)を制覇。ペニアフォビア(Peniaphobia)がゴールドファン(Gold-Fun)を下して香港スプリント(1200m)を優勝。また、日本のスター馬モーリスが香港マイルを制し、エイシンヒカリが香港カップ(2000m)を優勝。

 今年は英国からダートマス(Dartmouth マイケル・スタウト厩舎)とグロウル(Growl リチャード・フェイヒー厩舎)が香港国際競走に遠征する見込みであり、エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)厩舎のハイランドリールとファウンド(Found)も参戦を検討している。



馬券購入のためのヒント

  1. ハッピーバレーではスピードのある馬の馬券を買うこと。内埒沿いで好位置につけられる馬を狙う。
  2. トップクラスのジョッキーを狙う。ジョアン・モレイラ騎手は昨シーズンに168勝を挙げており、ほかに7勝以上を挙げた騎手は19人だけだった。香港では、トップクラスのジョッキーは多くの騎乗チャンスに恵まれるが、結果的に人気しすぎてしまう。
  3. 予習をしなければならない。HKJCは競走馬の健康状態から調教にいたるまでの最新情報を公開しており、予想のためにレース映像リプレーを無料で見ることができる。
  4. タイムがかなり大きな要素となる。レースはおおむね安定した馬場状態で施行され、競馬場は2つしかないので、タイムから導かれるヒントに多くの信頼をおくことができる。
  5. レーシングポスト紙の予想を読んでみること。我々の海外競馬の専門家は読者のために出走馬の全ての成績を分析し、各レースの簡単なガイドを提供する予定である。

By Stuart Riley

(1ポンド=約140円、1香港ドル=約15円)

[Racing Post 2016年11月22日「Racing Post's guide to betting on Hong Kong」]

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