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2016年11月10日  - No.45 - 1

全9レースの女性騎手の選手権シリーズが発足(イギリス)[開催・運営]


 英国で15競馬場を所有・運営するアリーナレーシング社(Arena Racing Company:ARC)は、プロ・アマチュアを問わず女性騎手が参加できる"シルクシリーズ(Silk Series 全9レース)"の創設を発表した。このシリーズは、2017年にARCが所有する競馬場で開催される計9日のレディーズデイにおいて、女性騎手に騎乗するチャンスを提供する。

 シルクシリーズは、衆目を集める騎乗機会を女性騎手に提供することを目的とする一方、英国がん研究所(Cancer Research UK)のがん予防・診療・治療に関する先駆的研究支援のための資金集めにも一役買う。ARCレディーズデイの1人あたり入場料のうち75ペンスがこの慈善団体に寄付される。

 シルクシリーズはBHA(英国競馬統轄機構)の協力のもと、ARCと英国がん研究所により考案された。第1戦は5月12日にリングフィールド競馬場、最終戦は9月14日[セントレジャーS(G1)開催日]にドンカスター競馬場で開催される。

 全9レースの賞金基金は10万ポンド(約1,300万円)以上となる。また、シリーズ終了時に各レースの着順に基づく合計ポイント獲得数でトップに輝いた女性騎手には、女性騎手として英国で初めて優勝したメリエル・タフネル(Meriel Tufnell)氏を記念した、"タフネルトロフィー"が授与される。1976年にMBE(大英帝国勲章第5等)を受勲したタフネル氏は、2002年10月にがんのため53歳で亡くなった。

 メリエル・タフネル氏の兄ウィン・タフネル(Wynne Tufnell)氏はこう語った。「メリエルは、自身の名前と功績を記念するシリーズが開催されることを知ったら喜ぶでしょう。彼女はすべてにおいて先駆的であり、女性騎手に新たなチャンスをもたらすこのシリーズを歓迎したことでしょう。彼女の家族として、来年9月にタフネルトロフィーを優勝者に渡すことを楽しみにしています」。

 シルクシリーズのレース(3歳以上)はさまざまな競走距離で施行されるが、競走条件はまだ最終決定していない。リングフィールドとドンカスター以外では、チェプストウ、ヤーマス、ニューキャッスル、ブライトン、ウォルヴァーハンプトン、バース、ウィンザーの各競馬場で施行される。

 ARCのパートナーシップ担当理事であるデヴィッド・レイデン・ダンバー(David Leyden Dunbar)氏はこう語った。「シルクシリーズは英国の優秀な女性騎手に、その能力を示す恰好の舞台を提供すると考えています。一方、このシリーズは英国がん研究所の資金集めに一役買い、その認知度を高めるでしょう」。

 騎手協会(Professional Jockeys Association:PJA)の競走担当専務理事であるデール・ギブソン(Dale Gibson)氏はこう語った。「PJAは女性騎手の選手権シリーズの創設を歓迎しています。とりわけこのシリーズが、若い女性見習騎手がその騎乗能力を示す機会を増やすことを望んでいます」。

By Lewis Porteous

(1ポンド=約130円)

[Racing Post 2016年10月5日「Arc launches nine-race series for female jockeys」]


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