新設のTRCグローバル・ランキング、日本勢もランクイン(国際)[その他]
ライアン・ムーア騎手は、10月12日に新設されたTRCグローバル・ランキング(TRC Global Rankings)で、2位以下に大差をつけて世界一の平地騎手に輝いた。
2位はフランキー・デットーリ騎手、3位は豪州のヒュー・ボウマン(Hugh Bowman)騎手となった。また、クリストフ・スミヨン騎手が4位、パット・スマレン(Pat Smullen)騎手が9位、ウィリアム・ビュイック(William Buick)騎手が10位にランクインしたことで、欧州拠点の騎手は存在感を高めた。なお、米国拠点の騎手の中で最高位となったのは、5位のハビエル・カステリャーノ(Javier Castellano)騎手である。
TRCグローバル・ランキングには、調教師・馬主・種牡馬の部門もあり、それぞれ1位~500位までが掲載されている。それぞれの部門別に、3年間の活躍をベースとして毎週更新される。
クールモア牧場は、全部門でトップに立った。同牧場の姉妹施設バリードイルで活動するエイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)調教師は2位以下に大きな差をつけて調教師部門でトップとなり、同牧場で供用されるガリレオは世界第1位の種牡馬となった。
このランキングは毎年主要競馬国で開催される約1500の重賞レースの結果をベースにしており、元レーシングポスト紙の記者ジェームズ・ウィロビー(James Willoughby)氏が考案した算出方法を、国際的なウェブマガジン『サラブレッド・レーシング・コメンタリー(Thoroughbred Racing Commentary)』が発展させたものである。
ランキングにおける順位は、それぞれを代表する馬(騎乗馬・管理馬・所有馬・産駒)が対象となるレースで収めた成績によって決まる。レーシングポストレーティング(Racing Post Ratings:RPR)は、各レースにおける出走馬の成績を評価し計算する際に参考とされる。対象となるレースが最近であるほど、ランキングに有利に働く。なお、獲得賞金額・レースの評価・オッズは加味されない。
TRCのクリス・スミス(Chris Smith)編集長はこう語った。「大半のメジャースポーツには世界ランキングがあります。ゴルフやテニスでも、ランキングは昔から欠かせないものとなっています。しかし、世界中に多くの競馬統轄機関があり、数十億ポンドの規模を持つ競馬産業には、ホースマンに関する真のランキングが存在しません。私たちは今こそ、それを導入すべき時期だと考えました」。
「過去3年間の活躍をベースに、インパクトの大きい騎手・調教師・馬主・種牡馬を表わすランキング基準を作ることができたと確信しています。競馬界において、このようなランキングは他にありません」。
ランキング全体はサラブレッド・レーシング・コメンタリーのウェブサイトで閲覧できる
(https://www.thoroughbredracing.com/)。
By Jon Lees
[Racing Post 2016年10月14日「Moore clear top in new world rankings list」]