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2016年10月06日  - No.40 - 1

2016年凱旋門賞はオブライエン厩舎が1着から3着を独占(フランス)[その他]


凱旋門賞(G1・10月2日シャンティイ競馬場)2400m 3歳以上

 今年脇役ばかりを務めていた4歳牝馬ファウンド(Found)は、凱旋門賞で最高の瞬間を迎えた。エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)厩舎の3頭がワンツースリーフィニッシュを決め、ファウンドはその先頭でゴール板を駆け抜けたのだ。

 2014年マルセルブサック賞(G1)優勝馬ファウンドは、過去5戦(タタソールズゴールドC・コロネーションC・プリンスオブウェールズS・ヨークシャーオークス・愛チャンピオンS)すべてで2着だったが、最も大切なときに先頭に立った。

 ライアン・ムーア(Ryan Moore)騎手を背にファウンドは馬群の中から弾けるように抜け出し、同じ厩舎でキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)優勝馬ハイランドリール(Highland Reel)を突き放した。アスコットゴールドカップ(G1)優勝馬オーダーオブセントジョージ(Order Of St George)は3着に入線した。4着となったシルジャンズサガ(Siljan's Saga)は、上位4頭の中で唯一ガリレオ産駒ではなかった。

 力強く発走したファウンドは中団でレースを進めた。ムーア騎手が折り合いをつけ、最後の直線に向かう長いコーナーで内側に完璧な進路を取った。その後ファウンドは、オーダーオブセントジョージとポストポンド(Postpond)の間の狭い隙間を縫うように進んだ。この2頭を抜くと、力尽きつつあるペースメーカーのヴェデヴァニ(Vedevani)をとらえ、ファウンドは最高の栄冠を手にすべく力強く突き進んだ。

 ファウンドは昨年、G1・4レースで2着となった後、英ダービー(G1)、エクリプスS(G1)、愛チャンピオンS(G1)および凱旋門賞を制したゴールデンホーン(Golden Horn)を、BCターフ(G1)で打ち破った。今回単勝オッズ6-1(7倍)で出走したファウンドは欧州最高賞金額のレースを自力で制し、G1・3勝目を挙げた。ウィリアムヒル社(William Hill)は、ファウンドのBCターフ連覇に6-4(2.5倍)のオッズを付けている。

 これはオブライエン調教師が成し遂げた目を見張るような偉業である。欧州最高の中距離競走に出走させた管理馬3頭が1着~3着を独占するということは、同調教師の比類ないキャリアにおいても最高の偉業である。この勝利は同調教師にとって、今年のG1・18勝目となった。

 その華々しいキャリアの中でも"最高の快挙"と述べたオブライエン調教師は、こう語った。「信じられません。うまく言い表せません。このようなことは夢見たこともありません。これに勝る快挙などないでしょう?最も難しいレースの凱旋門賞で、このようなことが起きるとは本当に信じられません。ライアンは素晴らしい騎乗をしてくれました」。

 「皆にとって満足な結果です。オーダーオブセントジョージについては馬場状態を心配していましたが、あとの2頭にとってはまずまずのコンディションでした。これは素晴らしいチームワークの賜物であり、その一員となれたことを光栄に思います。それに、この3頭はすべてガリレオ産駒です」。

 ファウンドの共同馬主マイケル・テイバー(Michael Tabor)氏はこう語った。「凱旋門賞で1着から3着を独占するとは信じられません。うまく言葉にできません。ファウンドにとっては今年一番調子の良い時期でしたので、凱旋門賞でチャンスがあると思っていました」。

 過去6戦(うちG1・4戦)無敗の1番人気馬ポストポンドは、アンドレア・アッゼニ(Andrea Atzeni)騎手を背に好位で競馬を進めたが、最後の直線で勢いを欠き5着に終わった。

 ポストポンドを管理するロジャー・ヴァリアン(Roger Varian)調教師はこう語った。「これが競馬というものです。敗北を喫しました。アンドレアによれば、発走は良かったようですが、早い段階で外を走らされてしまいました。コーナーを曲がるときに手前が違い、正しい手前に変えるのに時間が掛かりました。最後の直線で普段取るはずの進路を取れませんでした」。

 ダーモット・ウェルド(Darmot Weld)厩舎の英愛ダービー優勝馬ハーザンド(Harzand)は9着、日本の期待の星マカヒキは14着に終わった。いずれも道中外を走らされてしまった。

 ザグレイギャッツビー(The Grey Gatsby)は2014年にシャンティイ競馬場で仏ダービー(G1・ジョッケークリュブ賞)を制したが、今回は最下位に終わった。同馬を管理するケヴィン・ライアン(Kevin Ryan)調教師は、「とても残念です。調子も上々で道中好位につけていたのですが、今日は恵まれていませんでした。最後の直線でエンジンが掛かりませんでした」と語った。

By Stuart Riley

[Racing Post 2016年10月2日「Found leads home Arc one-two-three for O'Brien」]


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