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2016年08月04日  - No.31 - 1

ノーザンファーム、愛オークス&オペラ賞優勝馬カヴァートラブを購買(日本)[生産]


 最近引退したクラシック優勝牝馬カヴァートラブ(Covert Love 父アザムール)は、吉田勝己氏のノーザンファームにより購買された。

 この購買契約は、同馬を共同で生産して所有したヒューゴ・メリー(Hugo Merry)氏と、ナーヴィックインターナショナル社(Narvick International)のエマニュエル・ド・セルー(Emmanuel de Seroux)氏の間で交わされた。

 メリー氏はこう語った。「12月のセリまで待つつもりでした。しかし、7人でこの馬を所有しており、残念なことですが、いつかは売らなければならないと考えていました」。

 「アザムールはブルードメアサイアーとして頭角を現しつつあります。アザムールの牝馬の中でもクラシックやG1を制している優良牝馬を入手することは困難です」。

 カヴァートラブは2013年ゴフス社オービー1歳セール(Goffs Orby Yearling Sale)で、たった2万6,000ユーロ(約299万円)で落札された。そしてヒューゴ・パーマー(Hugo Palmer)調教師に管理され、フォモシンジケート(Fomo Syndicate)の勝負服を背負って2015年愛オークス(G1)を制し、同調教師に初のクラシック勝利をもたらした。その後、オペラ賞(G1・ロンシャン競馬場)でジャッジトップ(Jazzi Top)をアタマ差で下して優勝した。

 カヴァートラブは、通算成績8戦5勝、獲得賞金50万668ポンド(約7,009万円)で現役を引退した。

 メリー氏はカヴァートラブが歩んできた道のりに思いを馳せながらこう語った。「コークにある私の牧場で、マーク・マクステイ(Mark McStay)氏とともにこの馬を生産しました」。

 「私たちは多くの優良馬を生産しましたが、最近でクラシック勝利に近かった生産馬は2012年英2000ギニーでキャメロット(Camelot)の3着となったハーミヴァル(Hermival)でした」。

 「クラシック優勝馬を生産できたことは素晴らしいことです。生産には多くの浮き沈みがありますので、カヴァートラブの勝利は途方もない満足感を与えてくれました」。

 「当歳のときに購買したメイクビリーヴ(Make Believe)が仏2000ギニー(G1)で優勝したときもすごく嬉しかったのですが、はっきり言ってカヴァートラブのクラシック優勝の喜びはその十倍でした」。

 「パルマー調教師がセリで彼女を気に入ってシンジケートに加わってくれたことは、私たちにとって幸運でした。この馬をずっと同じ割合で所有し続けることができたのは、素晴らしいことでした」。

 ノーザンファームに購買されたカヴァートラブは、拡大し続ける優良牝馬群の仲間入りを果たす。その中には、昨年11月に280万ドル(約2億9,400万円)で購買されたBCフィリー&メアターフ優勝馬ステファニーズキトゥン(Stephanie's Kitten)がいる。

 吉田兄弟が所有する社台スタリオンステーションで最も素晴らしい結果を出している種牡馬は、産駒獲得賞金で世界首位のディープインパクトである。サンデーサイレンス産駒である同馬は、カヴァートラブの最初の交配相手となると思われる。

 ド・セルー氏はこの購買についてこう語った。「まだ確実とは言えませんが、カヴァートラブはディープインパクトと交配するようです。吉田勝己氏は優良牝馬群に加えるトップクラスの牝馬を常に探しています。カヴァートラブは並外れた牝馬であり、極めて美しい馬です」。

By James Thomas

(1ユーロ=約115円、1ポンド=約140円、1ドル=約105円)

[Racing Post 2016年7月23日「Covert Love sold to Northern Farm in Japan」]


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