ゴールデンスリッパー優勝馬バンクーバー、オブライエン厩舎に移籍(アイルランド)[その他]
2014-15豪州最優秀2歳馬バンクーバー(Vancouver 父メダグリアドロ)は、アイルランドのエイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)厩舎に移籍し、今年は欧州のスプリントとマイルのG1を目指す。
ガイ・ウォーターハウス(Gai Waterhouse)調教師に管理されていたバンクーバーは、2歳時にゴールデンスリッパー(G1)優勝を含め4戦4勝を果たした。
クールモア牧場は、バンクーバーの所有権の過半をゴールデンスリッパー優勝後に購買した。購買額は4,000万豪ドル(約32億円)以上と伝えられている。
バンクーバーは3歳になって1回しか出走していない。それは昨年8月のG3スプリント戦(ローズヒル競馬場)であり、同馬は1番人気であったがジャポニズム(Japonisme)の4着に敗れた。
ウォーターハウス調教師は次のように語った。「バンクーバーは信じられないほど才能のある馬です。今年豪州の夏は短く秋がすぐに来そうなので、英国のロイヤルアスコット開催(6月開催)が大きな目標です。私たちはクールモア牧場と協議し、バンクーバーをアイルランドのオブライエン厩舎に送り、準備期間を与えるのがベストであると決定しました」。
「無敗の最優秀2歳馬でありゴールデンスリッパー優勝馬でもあるので、豪州でこれ以上の箔をつけることはできません。バンクーバーが世界クラスの競走馬であることは間違いありません。将来北半球と南半球の両方で種牡馬となるかもしれないと考えれば、この転厩は彼に国際舞台で活躍するチャンスを与えます」。
「彼が私たちの厩舎から旅立つのを目にするのは悲しいことです。しかし、エイダンのもとで、バンクーバーは、ソーユーシンク(So You Think)、スタースパングルドバナー(Starspangledbanner)、ハラダサン(Haradasun)などに続き、大成功を収めるでしょう。これまでで最も才能があると思った馬で、エイダンがあらゆる勝利を掴むことを望んでいます」。
父メダグリアドロがレイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)やムシャウィッシュ(Mshawish)などを送り出した優秀なシャトル種牡馬なので、バンクーバーの血統にはかなりの魅力がある。
母スケーツ(Skates 父デインヒル)はリステッド競走3着内の実績がある。また繁殖牝馬としては、G1スプリンターのジュステモメンテ(Juste Momente)、1月上旬のマジックミリオン社のセリにおいて150万豪ドル(約1億2000万円)で購買されたピエロ(Pierro)の1歳牡駒を出した。
クールモア牧場のトム・マグニア(Tom Magnier)氏は次のように語った。「私たちはバンクーバーの活躍範囲を広げるためにアイルランドに転厩させることに決定しましたが、ガイはバンクーバーがロイヤルアスコット開催で優勝できる馬だと確信しています。それこそ、私たちが目標としているところです」。
「エイダンとその息子ジョゼフと相談しましたが、彼らはバンクーバーが到着するのを心待ちにしています。ガイとそのチームは見事な仕事をし、結果的にバンクーバーの2歳シーズンは忘れられないものとなりました。彼らに今回の転厩を誇らしいと思ってもらえるよう、バンクーバーが結果を出すことを望んでいます」。
By Martin Stevens
(1豪ドル=約80円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2015年No.17「クールモア牧場、ゴールデンスリッパー優勝馬を約36億円で購買(オーストラリア)」
[Racing Post 2016年1月12日「Golden Slipper winner Vancouver joins O'Brien」]