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2016年06月30日  - No.26 - 3

ヘイリー・ターナー元騎手、シャーガーカップで1回限りの復帰(イギリス)[その他]


 英国で最も成功した女性騎手ヘイリー・ターナー(Hayley Turner)氏は、シャーガーカップ(8月6日・アスコット競馬場)で、1回限りの復帰を果たす(訳注:ただしターナー氏は心身ともに万全に備えるために、機会があればシャーガーカップ前に何鞍か騎乗することを望んでいる)。

 6月に大英帝国勲章第4等(OBE)を受勲した33歳のターナー氏は、昨年のシーズン終了時に引退した。しかし、昨年のシャーガーカップで女性騎手選抜チームが初めて勝ち取ったチャンピオンのタイトルを防衛するために、このイベントに参加するよう説得された。

 ターナー氏は、女性初のメルボルンカップ(G1)優勝ジョッキーで、豪州のスターであるミシェル・ペイン(Michelle Payne)騎手の代りを務める。ペイン騎手は最近落馬をして腹部を負傷した。

 女性騎手選抜チームは、キャプテンを務めるカナダ人のエマ-ジェイン・ウィルソン(Emma-Jayne Wilson)騎手、英国のキャシー・ガノン(Cathy Gannon)騎手(現在怪我の治療中であり参加はその回復状況による)、ターナー氏の3人で編成される。そして8月6日に、イギリス・アイルランド選抜チーム、ヨーロッパ選抜チーム、世界選抜チームと腕を競う。

一番好きなイベント

 ターナー氏はこう語った。「シャーガーカップは競馬シーズンで一番好きなイベントです。これ以外のイベントのために一時復帰は考えなかったでしょう。ペイン騎手がチームに参加できないのは、本当に残念なことです。早く回復することを祈っています」。

 「このイベントを心待ちにしており、私も含めエマ-ジェインやキャシー・ガノンが昨年のようにチームに奇跡をもたらせればいいと思っています」。

 ターナー氏は2000年から2015年まで現役騎手として活躍し、英国で761勝を挙げた。他にも、2005年にリーディング見習騎手となり(サリーム・ゴーラム騎手と同時受賞)、英G1・2勝と年間100勝を達成するなど、英国で偉業を達成した。

 さらに、英国の女性騎手として初めて米国のG1を制覇したほか、エリザベス女王の所有馬を優勝に導いた。

ラッキーな競馬ファン

 昨年の夏の終わりにターナー氏が引退を表明した時、競馬界は衝撃を受けた。その当時、ターナー氏は「新しい挑戦を始めるつもりです。わずかな騎乗機会を得るために何時間も掛けて移動する仕事と生活のバランスに耐えきれなくなってきました」と語っていた。

 しかし、ターナー氏はその後も競馬に深く関わり続けており、ニューマーケットで調教活動を続け、アットザレーシズ社の番組にコメンテーターとして頻繁に出演している。

 アスコット競馬場の競走・渉外担当理事であるニック・スミス(Nick Smith)氏はこう語った。「英国の競馬ファンは、新たな伝説的女性騎手であるミシェル・ペイン(Michelle Payne)騎手を目にするはずでした。しかし、ヘイリーのこのイベントへの強い情熱のおかげで、彼女が正式なレースで再び騎乗する姿を見るチャンスを得られて本当にラッキーです。多分これが最後となるでしょう」。

 「ミシェルは不運な事故に遭い、深刻な怪我を負ってしまいました。彼女を英国に迎えることを非常に楽しみにしていました。これは彼女がメルボルンカップで優勝した日から計画されていました」。

女性騎手にとって不運な年

 ペイン騎手の今後については、5月の落馬事故の後に腹部の外科手術を受けてから不透明なままである。一方、ガノン騎手は事故により左足の指5本をすべて骨折して5月から騎乗していない。現在シャーガーカップに間に合わせるために治療中である。

 ガノン騎手は怪我のために昨年のシャーガーカップに参加できず、その代わりにサミー・ジョー・ベル(Sammy Jo Bell)騎手が代理を務めた。このベル騎手も怪我に見舞われ、2016年中は騎乗できない。2016年は全般的に女性騎手にとって不運な年である。

By Tom Kerr

(関連記事)海外競馬ニュース 2016年

No.22「女性初のメルボルンカップ優勝騎手、引退の決断を迫られる(オーストラリア)」、

No.25「ヘイリー・ターナー元騎手、大英帝国勲章第4等(OBE)を受勲(イギリス)

[Racing Post 2016年6月23日「Turner out of retirement to ride at Shergar Cup」]


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