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2016年06月23日  - No.25 - 2

ウートンバセットの初年度産駒アルマンゾル、仏ダービーを制覇(フランス)[その他]


 ウートンバセット(Wootton Bassett)の初年度産駒アルマンゾル(Almanzor)は、6月5日の仏ダービー(G1・ジョッケークリュブ賞)で力強くゴール板を駆け抜け、父に最初のG1勝利をプレゼントした。同馬はジャン-クロード・ルジェ(Jean-Claude Rouget)調教師に管理され、馬主はアントニオ・カロ(Antonio Caro)氏とジェラール・オーギュスタン-ノルマン(Gerard Augustin-Normand)氏である。

 アルマンゾルは中段で脚を温存し、残り200mのところで先頭に立ち、アガ・カーン殿下のザラック(Zarak 母ザルカヴァ、父ドバウィ)の追撃を退け、余裕ある1馬身1/2差で優勝した。鞍上はジャン-ベルトラン・エイケム(Jean-Bertrand Eyquem)騎手であった。

 エートルアム牧場(Haras d'Etreham)が生産したアルマンゾルは、未出走の牝馬ダルコヴァ(Darkova 父マリアズモン)の初仔である。ダルコヴァは皮肉にも、アガ・カーン殿下が発展させたファミリー(牝系)から出た。

 ダルコヴァは、リステッド勝馬ダルカラ(Darkara 父ホーリング)の娘であり、ザラ・アガ・カーン王女(アガ・カーン殿下の息女)に所有され、アランド・ロワイエ-デュプレ(Alain de Royer-Dupre)調教師に管理されて4勝した。

 ダルコヴァは、2007年仏最優秀3歳牝馬でG1・3勝馬ダルジナ(Darjina)の近親でもある(いずれも2代母がDaralbayda)。

 アルマンゾルは仏ダービーの前に4勝を果たしていた。それには、父ウートンバセットに重賞初優勝をもたらした5月のギッシュ賞(G3)での勝利も含まれる。

 8歳のウートンバセット(父イフラージ)はフランスでの成功に無縁ではない。現役時代にリチャード・フェイヒー(Richard Fahey)調教師に管理され、全盛期には5勝を挙げたが、その中に2010年ジャンリュックラガルデール賞(G1・ロンシャン競馬場)での優勝が含まれる。

 ウートンバセットは、ランドリーコテージスタッド(Laundry Cottage Studハートフォードシャー州)により生産され、母はバラドニア(Balladonia 父プリモドミニー)である。近親に勝馬8頭がおり、半兄にリステッド3着内馬ミスターハーディ(Mister Hardy)がいる。

 ウートンバセットはドンカスター・セントレジャー1歳セールに上場され、ボビー・オーライアン(Bobby O'Ryan)氏に4万6,000ポンド(約713万円)で購買された。

 ウートンバセットの馬主となったフランク・ブラディ(Frank Brady)氏とコズミックケーシズ社(The Cosmic Cases)は、2011年末に同馬を引退させた。ウートンバセットはフランス・ノルマンディーのエートルアム牧場で種牡馬入りし、今でもそこで供用されている。現在供用5年目で、種付料は6,000ユーロ(約72万円)である。

 セリにおいて最も高額で落札されたウートンバセット産駒は、エートルアム牧場が2015年アルカナ社ドーヴィル1歳セールに上場したアルマンゾルの全妹である。ルジェ調教師が11万ユーロ(約1,320万円)で購買した。

 しかし、ウートンバセットは英国ではフランスにおいてほど影響力を持っていない。英国で勝利をあげたウートンバセット産駒は、それぞれリングフィールド競馬場とノッティンガム競馬場で勝利を挙げたクライヴクリフトン(Clive Clifton)とハキーム(Hakeem)のみである。

By James Thomas

(1ポンド=約155円、1ユーロ=約120円)

[Racing Post 2016年6月6日「A first for Wootton Bassett as Almanzor claims Classic」]


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